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ドゥ ロアンヌ (恵比寿)(2ページ目)

思いがけず目の前に置かれたバースデーデザート。ほんの3分前の雑談をすぐ形にしてくれるホスピタリティーはさすが。失われつつあるワゴンデザートが今も健在で、至福のランチタイムが過ごせるフレンチ店です。

執筆者:河野 優美

ランチコースにのみ提供される優雅なワゴンデザート!


ドゥ ロアンヌドゥ ロアンヌ
どのコースにも健在! デザートワゴン。明るさを奏でる赤いストライプのソファ席。

ここのランチは、3,150円、4,200円、5,250円、8,400円の4コース。予算に応じて選びやすいのが、ここの魅力のひとつです。

また、楽しみなのがワゴンデザート。通常、リーズナブルなコースにはデザートが1品しかつかず、お値段が高くなるにつれ、ワゴンデザートを採用しているお店も多いようですが、ここはすべてのランチコースに対応しています。

ドゥ ロアンヌドゥ ロアンヌ
プリンとミルフィーユ。ブッシュ・ド・ノエルとプリン。

店内の端にチラッと見え隠れする、ワゴンの上の甘い誘惑。のちの至福の時を横目に、この日は4,200円のコースをいただくことにしました。

フランスの余話を聞きながら楽しむ人参のアミューズ。


まずは、アミューズ「人参ムースのコンソメジュレがけ」。
ドゥ ロアンヌドゥ ロアンヌ
カーテンを下ろした窓席。ナチュラルな甘みの「人参ムースのコンソメジュレがけ」。

これは、ミルクでゆっくり煮詰めた北海道産の人参をミキサーでなめらかなムースに仕上げ、ジュレ状にした冷たいコンソメスープをかけたもの。牛乳を使うことで、人参の薬くさい部分が消え、自然の甘みだけが残るそう。またあえてクリームを使わないことで、さっぱり仕上げてありました。

ドゥ ロアンヌ
揚げる前のセージの葉。
かたわらに添えてある板状のものは、ジャガイモのクリスティアン。これは、カリカリにしたものという名前通り、セージをはりつけたジャガイモのスライスを、110度ほどの低温で2時間じっくり揚げてパリパリ感を出したもの。

1ミリもない薄さなのに、しっかりジャガイモの味がしてビックリ。また、表面にプチプチっとついている塩の粒も、見た目は点のようなのに、口に入れるとちゃんとジャガイモを生かす存在になっていて、出だしから力作でした。

フランスでは、セージが植えてある家は病を避けると言われているそう。胃のもたれを防いだり、殺菌したり、薬草としても昔から利用されるハーブなのです。そんな気の利いた余話も、スタッフがメニューの説明とともに、そっと添えてくれます。

無農薬・有機にこだわらず、本当においしい食材を選ぶ。

ドゥ ロアンヌ
ビーツで指先を真っ赤にして作る「季節野菜のテリーヌ 根セロリとビーツのソース」。
次に出てきたのは、本日のオードブル「季節野菜のテリーヌ 根セロリとビーツのソース」。野菜が主役の逸品なので、その時々で入れるものが変わってくるそう。旬であることを重視しているのがわかります。

ちなみにこの日は、カボチャ、人参、キャベツ、パプリカ、ゴボウ、甲信大根など11種類。

ドゥ ロアンヌ
花を眺めながら過ごすランチタイム。
岡本シェフは言います。「無農薬や有機野菜が100%おいしいとは限らない。僕は輸入物であっても、おいしい物を使いたい。日本が冬でも、地球の反対は夏。広い世界、どこかを探せば一年中欲しい野菜が手に入る。こだわらずに、一番おいしいと思える物を選ぶのが、シェフの仕事」。

私もそうなのですが、今は農薬に敏感な人が増え、それを使わないことがいいこととされる傾向にありますが、それがあまりにも先行して、おいしさが二の次になってしまうとしたら、それはそれで味気無いことですよね。

そのバランスを取りながら、選んでゆくことこそ、料理を作る人の力量とも言えるもの。岡本シェフの言葉に、ハッとさせられた瞬間でした。

次ページでは、別名・天然のインスリンと呼ばれるキクイモのポタージュと、カニとホタテを贅沢に使った豪華メインをご紹介します!
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