2/2 タランティーノから始まったボードゲーム『WARUMONO』　酒と映画と男とゲーム [カードゲーム・ボードゲーム] All About

フーダニット！　仕掛けられた２重の罠

覆面捜査官の存在により、ゲームはより一層の混迷を増す！

レザボア・ドッグスでは、６人のギャングのうち、誰が警察の「犬」だったのかが大きな謎として残り、観るものを最後の最後まで引き付ける。

『ＷＡＲＵＭＯＮＯ』には映画も顔負けの悪魔的に狡猾なルールが仕込んである。それはマフィアに加えて、時として内偵刑事のプレイヤーが紛れ込んでいる場合があるということ。

マフィアが現ナマをゲットして高飛びしなければならないのに対し、内偵刑事の目的は、現金を持っているマフィアを捕まえなければならない。刑事にとって自分が現金を持っているのは邪魔なだけ。マフィアにそれを押し付けて、そいつをあげることこそ使命。もちろん、刑事にもリスクはある。ニセ金をもったマフィアの誤認逮捕は許されない。

騙しあいがもたらす愉悦

このゲーム、ともすればボード上のコマの動きは単純だ。しかしその水面下ではマフィアたちの思惑が複雑に絡みつき、腹黒い虚虚実実の駆け引きが展開されている。

さらにここに内偵刑事が潜入していれば、その駆け引きはさらに複雑なものに。表のシンプルさに対して、裏の複雑さ。この２面性こそこのゲームの肝。騙し、かまし、掠め取れ。このブラックテイストはタランティーノ作品のように癖になるぞ！

このゲームは酒と悪巧みが良く似合う

悪友を集め、しこたま酒を呷りながら遊ぶべし！

このゲームの最高の遊び方は次のようなものだろう。

まずは昔からの悪友たちに召集をかける。この時ドレスコードは黒系で来いと決めておく。ジン、ウォッカ、ウィスキーなどのきつい目のアルコールをたっぷり用意しておく。鑑賞するメンバーが集まったらいよいよゲーム開始だ。可能であればゲームの前に『レザボア・ドッグス』を全員で鑑賞しておくのもいい。

プレイが開始されたら汚いジョークと聞くに堪えない悪態をつきながらコマを進めること。ダーティーのな世界に蠢く男たちの生き様が、たっぷり追体験できること請け合いだ！！