これは金太郎飴ではない!熊の彫り物だ
よくみるとサイコロ表面には無数のミゾ。その意味は・・・ (画像提供 株式会社入曽精密) |
「0.3ミリの角材みたいものを0.3ミリの長さで切断して、(これで立方体の完成)各面に針のような工具で目ちょいちょいと穿つ。いっちょあがり!」
ところがこのサイコロはそんなちゃちな製法ではなかったのだ。極小サイコロは全面を削り出している。つまり金太郎飴ではなくあの熊の置物のように一刀彫りで加工されていたのだ。
当たり前の話だがサイコロ本体よりも、これを削る工具の刃先はさらに微小だ。なにせこの極小サイコロの1面に100本近い溝を入れられるというレベルという…
これがどれほど究極か皆さんおわかりでしょうか? たとえば人が歩いただけでもミクロの世界では大地震。室内の温度が1度あがってもミクロレベルでは加工機はたわみます。このような不安定な環境下においてサイコロをしっかり土台に固定し(物が小さいだけにこれだけでも独自のノウハウが必要)さらにこれだけ極小な目標物に向かって刃先を正確に制御し金属を切削する…
どの段階においても道具・機械さえあればこのサイコロを作れるといった甘いものではない。入曽精密で蓄積された長年のデータと経験豊富な職人の技術があって初めて製作可能なとんでもないサイコロなのだ。