斯道の達人、それも頭に「超」のつくような一流プレイヤーの集中力が極限に達したときそれは起こります。まずはこの先の展開が読める「予知系」から。
● 武宮正樹 (囲碁 棋士)
囲碁の武宮正樹先生とといえば、「宇宙流」とまで称される豪快な打ち方で実力・人気ともに抜群の棋士です。ある例会でお会いして直接お話する機会があったので、シンキングハイ的な体験をお伺いさせて頂きました。
何百、何千局いや何万局も戦ってきたであろうトップ棋士の武宮先生。そんな長い棋士人生の中でもでただ一度だけ序盤にも関わらずいきなり最終局面までの投了図が「みえた」ことがあるそうです。終局までその予知どおり進み、もちろんの快勝。しかし武宮先生をしても、そのような現象が起きたのは後にも先にもその一局のみ。
● 望月正行 (バックギャモンプレイヤー)
プロフェッショナルプレイヤーとして現在ヨーロッパを中心に武者修業中の望月氏。以前ガイドによるガイドが行ったインタビュー記事『ラスベガスで頂点にたった男』では、集中が頂点に達すると周りの観客も、相手も消え、ついには自分は何者かに使役されており、盤面だけを分析するシンキングマシーンなったかのような錯覚に陥るというお話でした。記事では割愛したのですが、望月氏は他にもこんな言葉もこぼしていました。
「これから振るサイコロの目がわかるときってありますよね?」
これは望月氏に限らず、バックギャモンのトッププレイヤーなら集中力が高まると「次に出るサイコロの目」が予知できる場合がままあるようです。
予知は単なる勘であり、それがたまたま当たっただけという解釈もあるでしょう。ならば伏せてあるカード、あるいは牌が透けてしまう「透視系」ならどうでしょう。