大会が楽しくなるかどうかは幾つかの条件があります。まず参加人数が多いこと、それにあった舞台仕立てがあること。この点カタンは５００人強という参加者やカプコンというトップメーカーのバックアップ。これが面白くないはずがありません。
場所は新宿歌舞伎町、東宝会館の8Fクラブハイツという会場が貸切です。円形の客席はさながらローマのコロッセオを彷彿とさせます。ゲームは１テーブル４名での対決、１位通過のみ次の対戦に駒を進めます。この大会の優勝者はドイツのエッセンで行われる世界大会の日本代表として送り込まれます。（日本は２枠持っているため２人の日本チャンピオンが生れることになります）
カタンＴシャツを着たスタッフが配され、壇上や案内にはキャンペーンガール達が華を添えます。場内のテレビにはカタンのデジタル版のデモが流され、プレイヤー達ははやる気持ちを押さえて「開始！」の合図を待ちます。
中央ステージ上では各地区の予選で勝ちぬいた地区代表と前年度チャンピオンが紹介されています。優勝候補最右翼の彼らは２回戦からのシード選手となります。前日本チャンピオンの１人が「ドイツでは負かしたプレイヤーに泣かれてしまいました」とのエピソードを披露。というわけでスローガンは「ドイツにドイツ人を泣かせに行こう！」です。
●負けたプレイヤーも飽きさせない秘密
今回最も感心したのが負けてしまったプレイヤーへの配慮です。１位のみの勝ち抜けのため、１対戦につきプレイヤーの４人から３人という大量の敗者が出てしまいます。優勝の望みを絶たれてしまえばもう面白くありません。しかしプレイヤーは参加受付時に３枚のチップを渡されています。これがキモ！ バトルロイヤルと称し、敗者同士でこのチップを賭けてカタンをプレイするのです。賭ける枚数はプレイヤーの任意。人数と交渉が成立すれば即ゲームスタートです。
獲得したチップは枚数に応じてＴシャツやボードゲームなどの賞品に換えられます。これなら負けてしまった後でも戦うモチベーションが維持できます。ほかのゲーム大会でも応用できる秀逸なアイデアだと思いました。
●今年の日本チャンピオンは……
１ゲームは９０分の時間制限。優勝するには５ラウンドしなければなりません。毎回思うのですが、ゲームの大会といえども体力がなければとても勝ちぬけません。心・技・体はゲームといえども例外ではないのです。決勝に残った８人のプレイヤー、このうち２人がドイツの世界選手権に招待されます。
先に優勝を決めたのは高木さん。もうすぐご結婚ということで、その前に奥さんを連れて（ドイツにはペアで招待される）ちょっとした婚前旅行です。
今１人は渡辺さん。実はこの方カタンの日本版が出る遥か以前から、ドイツからわざわざゲームを取り寄せて遊んでいたという日本では最古参のカタンプレイヤー。勝つべき人が勝つべくして優勝したということでしょうか。カプコン主催のカタン日本大会は去年から開催されています。カタンのルールさえままならないプレイヤーが大勢を締めていた去年と打って変わり、今年はカタンも一般に浸透し、比べ物にならないほどプレイヤーたちのレベルが上がってきたとのことです。
そんな中から優勝した２人。１０月のエッセンでは大いにドイツ人を泣かせて日本人初の世界チャンピオンになってほしいものです。
今年はもう終わりですが次回の日本大会までにはたっぷりと時間があります。まずはカタンを始めてみましょう。そして来年この壇上に立っているのは貴方かもしれませんよ！
●カタンＰＣ版 オープンβ参加者を受付中
アナログだけではなくデジタル方面でもカタンは展開中。Windows専用『Catan』 オープンβ参加者がカプコンの公式サイトにて受付を始めています。先着１万名ですので詳細は今すぐ・カプコンのカタン公式サイトに急げ！
【関連・参考サイト】
カタン公式サイト
・カプコン カタン公式サイト
・Die Siedler von Catan （ドイツのカタン公式サイト ドイツ語）
カタン日本大会 レポート・ニュース
・『電撃オンライン』ニュースより
・『isao World Game Style』 WG Newsより
双六屋ガイドサイト内関連ページ
・おすすめINDEX 『カタン（の開拓者たち）』
・記事・コラム 『優勝賞金１０００万円 バックギャモン世界選手権』
