世界4大ゲームの一翼を担うバックギャモン
バックギャモンは世界4大ゲームの一つであり(他、チェス、ドミノ、トランプ)3億人の競技人口を持つと云われています。紀元前3000年ころに栄えたウル王朝の出土品のなかからすでにバックギャモンの原型が出土しており、約5000年もの歴史を持ちます。日本でも盤双六(あるいはたんに双六)などと呼ばれ、源氏物語や徒然草にもその表記があります。現在でも戦術の研究が進んでおり、古くて新しいゲームといえるでしょう。15枚のチェッカーをダイスで操りゴールを目指すレースゲームですが、ダイスを使うといえども瞬時の判断と戦術眼が必要であり、技術7・運3のゲームと云われています。
絢爛豪華!モンテカルロで開催される世界選手権
日本でゲームといえば娯楽程度の認識ですが欧米では文化として認められています。バックギャモンの世界大会は、毎年7月の第2週にモナコ公国のモンテカルロで開催されます。モナコといえばヨーロッパ上流社会の観光地であり、F1グランプリやカシノで有名ですのでご存知の方も多いでしょう。
会場はカシノも備えたモンテカルログランドホテル。F1好きの方には目の前に有名なローズヘアピンがあるホテルといえば思い当たるでしょうか。ゲームといえどもこれだけの舞台が用意されているわけです。
選手権前夜はウェルカムパーティーから
会場についたらまずはレジストレーションフィー(登録料)200ユーロ(以下Eで略。当時のレートで1E=約120円)を払います。これは全プレイヤー共通です。登録だけで2万円強も払うので高いと感じられる人がいるかもしれませんが、この理由は後とで説明するパーティー代が含まれているのでかなりリーズナブルです。これにプラスして各々のクラスのエントリーフィーを払います。クラスは3つ用意されておりそれぞれビギナー(200E)、インターミディエイト(350E)、チャンピオンシップ(800E)。当然ですがチャンピオンシップクラスの勝者のみがバックギャモン世界チャンピオンという名誉と優勝賞金(約1000万円)を手にすることができるのです。
大会期間は1週間です。初日はカクテルパーティー、中日にはガラパーティー、最終日は表彰式とフェアウェルパーティーとゲームをしない日もあります。パーティーはすべて正装であり、普段はラフな格好のプレイヤー達もこの日ばかりは一張羅を着込みめかし込みます。
特に中日のガラパーティーはすばらしく、レビューとディナーとワインがついています。またこのほかにテニスやゴルフのトーナメントもあり、驚くことにこれらの費用は前述のレジストレーションフィーに全て含まれているのです!
世界中から集まる強豪プレイヤー達
ウェルカムパーティーの1場面。ただのおじさん? とんでもない! すべてのバックギャモンプレイヤーの憧れ、史上たった3人しかいない「世界チャンピオンに2度輝いた」マスタープレイヤー達です。
左からビル・ロバティ(米) ヨーガン・グランスタッド(北欧)マイケル・メイバーグ(独)