過去の『バイオハザード』とココが違う！

2004年、秋。ラクーンシティの消滅から
6年後のこと・・・

合衆国のエージェント、レオン・Ｓ・ケネディは、
奇怪な事態に遭遇していた。

とある事件の捜査で訪れたヨーロッパのさびれた村。
その村で突如、正気とは思えぬ・・・というより、
人とは思えぬ群集に襲われたのである。

あまりにいきなりの出来事に、
レオンは戸惑っていた。
襲われるわけなど思いあたらなかった。
調査中の事件に原因があるとしても、これほど
突然に、集団の殺意に取り囲まれる理由になるとは、
思えなかった。

レオンがその村を訪れた理由・・・それは、
誘拐された大統領の娘を探し出すためであった。
娘の名は、アシュリーという。

極秘捜査の中、アシュリーらしき女性が
ヨーロッパのある地域で目撃されたとの証言を
得る事ができた。その話をもとに、まずは調査のために
レオンは単身派遣されてきたのである。

静かな村だった。

皆、家にこもっているのだろうか。
外を歩く人影も見当たらない。
もやにかすんで、遠くは見えない。

目に入った一軒の民家に立ち寄り、
主らしい男にアシュリーの写真を見せたが、
まともな反応は返ってこなかった。
言葉が通じているのかどうかも疑わしい・・・
肩をすくめたレオンが立ち去ろうとしたその時、
襲撃は始まった。

予告なく、振り下ろされる斧の一撃。
辛くもかわし、威嚇に銃撃を放つも、男は
まったくひるむ様子を見せない。
痛みを感じている様子も、ない。

いやな記憶が、脳裏をよぎった。

男を背に外へ飛び出すと、あたりの雰囲気は
一変していた。

今までどこに潜んでいたのか、家を取り囲む村人たち。
さまざまな武器を手に持っている。
息をのむような悪意、充満する狂気。
それら全てが、レオンに向けられていた。

いきなりこんな事になるとわかっていたら、
もう少し打つ手はあったが・・・
応戦しながら、レオンは舌打ちをした。

村まで導いてくれた現地の警察官とも
はぐれてしまった。・・・彼らは、無事だろうか？
様子を探りたいところだが、
攻撃の手をやめない群集が、その隙を与えない。

とりあえずこの状況をなんとかしなくては・・・

あせるレオンの耳に、
ただひたすら銃撃の音が響いていた。