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PS3持っててよかった!『FolksSoul』(3ページ目)

幻想的な死後の世界で、敵を釣るアクションアドベンチャー! 『FolksSoul』はPS3持ってて良かった、と思える良作!

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

ストーリーは上質のミステリー仕立て

 
気のせいか、キーツ編はやや投げやりなストーリー展開な気がする…。
ゲーム開始時すぐに、エレンとキーツどちらを操作するか選択することになる。1章をクリアするごとに選択することになるが、両方を5章まで進めないとそこから先には行けない。
エレンだけを5章まで進めてからキーツを1章から始めることもできるし、エレンとキーツを1章ずつ進めることもできる。

二人のシナリオは密接に繋がっているので、片方が動いている間にもう片方が何をしているかが明らかになる構成はなかなか上手い。
ただ、エレンから始めた場合のキーツの扱いがかなりお座なりな気がした。
典型的な巻き込まれ型というか、通常考えられないことを「取材のためだ」と言ってこなしてしまうあたりにかなりの突っ込みどころを感じた。

だが一度ストーリーが進み始めると、舞台となる村とエレンとの関係、12年前に何が起きたのか…など、良質のミステリーばりにグイグイとストーリーに引き込まれていった。
「先が知りたくなる」ストーリー展開はアクションRPGと相性がいいのだろう。全体的にテンポ良く進む点は好印象だ。

だが、異界の構成がエレンとキーツでまったく同じという点はいただけない。
せめてマップ構成を変えるとか、進む道を変えるとか、思い切ったギミックを仕掛けるとかの差別化は必要だっただろう。
エレンとキーツでまったく同じことをやっているという感覚が非常に作業的に感じてしまう。
一部フォークスが違うのでプレイ感覚は微妙に違うが、もう少しのつくりこみでプレイの印象がグッと良くなっただろうと考えるととても惜しい。

新しいスタンダードとして申し分のない良作

 
お花畑と眼鏡のおじさん。実に幻想的である。
会話シーンの多くは画面に立ち絵が表示されるオーソドックスなもので、イベントシーンは漫画のコマ割りににた雰囲気の「コミックデモ」で進行する。
重要なシーンでのムービーが美しいことは言うまでもないが、個人的にはこのコミックデモも気に入っている。ただ人によってはいい印象を持たないかも知れないので注意して欲しい。

全体的には操作性も良く、テンポの良さも相まってプレイ感覚は非常に良好だった。特に通常のコントローラー操作に「振る」「傾ける」などの6軸センサーを生かした操作はクセになる。

このような「振る」と言ったコントローラー操作はライバル機種Wiiの得意中の得意だが、そうした操作を中心に据えるのではなく、従来のボタン操作にスパイスとして6軸センサーを取り入れた、と言う点は大いに評価できると感じた。PS3の方向性としては非常に正しい。

映像美、新鮮なプレイ感覚、続きの気になるストーリー展開、カスタマイズ性の高さなど、全体から見ても非常に水準の高いタイトル。ソフト不足のPS3だが、この段階でこれほどの完成度のゲームが出ていることを嬉しく思った。

アクションアドベンチャーというジャンルに興味があれば、非常にオススメできる一本である。
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