ワルキューレ
本編はまるで舞台演劇。キャラクターが細やかな演技を見せる様は驚嘆のレベル。 |
床には本が無造作に置かれ、その中の『ワルキューレ』を手に取り、ソファーに腰掛けるとアリスは本を読み始める…。
ゲーム本編はこのアリスが読む物語の中が舞台、というわけである。
本は合計5冊あり、『ワルキューレ』を読み終わると次、という風に順番に読み進めていくことになる。それぞれ同じ舞台、同じ時間軸で、異なる主人公たちによる別々の物語が展開する。
本編は『ニーベルングの指輪』をモチーフとした物語となっており、舞台演劇を見ているかのようなストーリー進行には製作者の美学を感じる。
各キャラクターの会話によるイベントシーンや、城内などで情報を集めたりアイテムを購入するシーン、そして敵が出現する戦闘シーンに大別することができる。
会話などで様々なキャラクターの内面が丁寧に描かれるのを楽しんだ後は、いよいよこのタイトルのメインともいえる戦闘シーンが待ち構えている。
それぞれは単純ながら、やることは豊富な戦闘シーン
このゲーム、戦闘シーンは格闘ゲームさながらの横スクロールアクションで進行する。とはいっても高い技術力が要求されるようなものではない。
複雑なコマンドも必要ないので、敵に囲まれないようにポジションを取りながら戦うことになる。
ここで注意しておきたいのは、「すさまじい強さの主人公が雑魚を蹴散らすゲーム」では決してない、ということ。
このゲームに真・三國無双のような爽快感を求めるのはちょっと違っている。
大事なのは囲まれないこと。
そして攻撃アイテムなどを駆使しながら、効率よく倒していくことである。
敵を倒すと、フォゾン(魔素)と呼ばれるものが出現する。
各主人公がもつ武器はサイファーと呼ばれ、このフォゾンを吸収することで成長していくのである。
また、フォゾンにはもうひとつ大事な用途がある。
入手した種を任意の場所に埋めると、フォゾンを吸収して成長する。
ある一定数のフォゾン(種によってその数は決まっている)を吸収した種は、体力を回復させる実を実らせる。
この実は主人公の体力を回復させるほか、たくさん食べることによって体力の上限が増えるのである。
『オーディンスフィア』では攻撃力の上昇と体力の上昇を別々に行うというわけだ。
この要素は慣れるまでちょっと難しく感じるが、種を育てるという行為は斬新で楽しい。
序盤は体力を優先して成長させるために積極的に種を植えるといいだろう。