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今日は晴れたから巨像を倒しに行こう(2ページ目)

巨像を探し出し、剣と弓のみで倒す。まるでアクションゲームのボスだけを抜き出したようなゲームが『ワンダと巨像』です。このゲームを知らないのはもったいない!

山道 健介

執筆者:山道 健介

プレイステーションガイド

ワンダはまず巨像にしがみつけるところを探す

 
巨大さがわかるでしょうか? ゲーム中巨像の攻撃で死亡することはあまりないので、基本的には根気との戦いになります。ゲームコントローラーを投げ出したら負け。そんな感じです。
巨像にたどり着いた直後、おそらくあなたは巨像のあまりの大きさに驚くのではないでしょうか。

怖いんです。ホント怖いんです。

巨像がワンダの姿を認めると、音楽が大きくなります。そして巨像の目がワンダを追うようになります。L1ボタンを押すことによって巨像を注視することができるんですが、注視しながら移動すると巨像がずっとこちらを見つめながら行動するのが見られます。

表情の無い巨像が、ひたすら感情を感じさせない目でワンダを追い、そして攻撃してくる姿。言い様の無い恐怖を感じる瞬間です。まずは巨像の攻撃を避け、巨像に取り付く方法が無いかを考え、巨像の弱点を探すのが今ワンダに出来る事の全てです。
巨像を探したときのように剣をかかげ、光を巨像に当てると、弱点で光が収束するのがわかります。そこが巨像の弱点。一つとは限らないのがポイントです。

そして、巨像に取り付く方法を探すのがこのゲームの肝。巨像を転ばせられないか? 空を飛ぶ巨像であればどうにかして飛びつくことができないか? 高いところに登ればいいのか? 巨像が降りてくるにはどうすれば? いろいろ知恵を絞る、思考戦が始まるのです。

しがみついたら振り落とされるな! 弱点を目指せ!

 
見難いですが、巨像の頭部にしがみついているところです。もうこうなると地上まで見る余裕はなくなりますが、遥か眼下に地面がある様子は高所が苦手な人には辛いかも?
何とかしがみつくことに成功したら、次は弱点に向かって移動しなければなりません。弱点までのルートを探し、振り落とされないように気をつけながら着実によじ登っていくのです。取り付いた瞬間から音楽が変わり、高揚感を煽ります。

巨像も黙ってされるがままなわけではありません。振り落とそうともがき、暴れます。しかし多くの巨像はしがみ付いてしまうと、ワンダに対して有効な攻撃をすることができません。ひたすら怯えるだけの存在だった巨像に反撃する唯一のチャンスなのです。

弱点を見つけたら力を振り絞り、剣を突き立てます。巨躯を震わせて痛みに耐える巨像。ワンダが何度も何度も剣を突き立てると、やがて巨像は力尽きます…。

そこにあるのは唯一無二の体験

 
ワンダと巨像アクションアドベンチャー/発売中/7,140円/SCEI
今回、あえて巨像を特定せずにレビューを書きました。それには理由があります。

このゲームは「巨像の攻撃を避け、いかに巨像に取り付くか」「どのようなルートで弱点にたどり着くのか」といった点が最大のポイント。つまり、それを知ってしまうとゲームとしての魅力が大幅に半減してしまうのです。自力でその方法を見つけ出し、悪戦苦闘して巨像を打ち倒したときの達成感。それは何事にも換えがたい充実感があるのです。

攻略情報を見ながらのプレイ。それも一つの方法だとは思います。ただ、このゲームに限ってはゲームの最大の魅力を失ってしまう遊び方だと思います。僕がこのゲームを進めるにつけ感じたのは「そろそろ終わってしまう」と言うなんともいえない寂しさでした。

巨像ごとにあれこれと試行錯誤し、制覇していく楽しさ。それとは裏腹に、巨像を倒した瞬間のなんともいえない刹那さ。相反するようですが、その二つの要素を是非感じ取っていただきたいと思うのです。

できることなら記憶を失って、再び真っ白な状態でこの世界を楽しみたい。そんなことすら考えてしまうほど、僕にとっては魅力的な体験でした。
ゲーム中の風景を楽しみ、自分で解決方法を試行錯誤できる、そんなプレイヤーにオススメしたい、従来にないアクションゲームです!

せっかく映像の美しいゲームなので、次ページにギャラリーを用意しました。

■関連ガイド記事:プレステガイドの独断ゲームレビュー! 『ICO』

■関連ガイド記事:東京ゲームショウ2004特集PS版 『ワンダと巨像』

■関連ガイド記事:東京ゲームショウ2005特集 『ワンダと巨像』

(c) 2005 Sony Computer Entertainment Inc.
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