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『ロード・オブ・ザ・リング』がRPGの元祖!? 『指輪物語』から『FF11』へ!(2ページ目)

アカデミー賞最多4部門を受賞した『ロード・オブ・ザ・リング』がなぜロールプレイングゲームの元祖と呼ばれるのか? を大検証!

山道 健介

執筆者:山道 健介

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綿密な設定
このように様々なRPGの誕生のきっかけとなった『指輪物語』ですが、その世界観は中世のファンタジー観をモチーフに北欧神話を取り入れた格調高いものとなっています。

ドワーフは北欧神話にも登場しますし、『白雪姫』に登場する七人の小人もドワーフです。背は小さくて力持ち、どのゲームでも手に持つ武器は大体斧と相場が決まっているようです。
エルフも北欧神話に登場します。容姿は美麗、とがった耳を持ち弓矢や細剣などの軽い武器を得意とする、というのが一般的ですね。
ホビットはトールキンのオリジナルのようです。特に伝承では見ることができませんでした。しかし背が低く身軽で器用なホビットは様々なゲームで見かけることができます。

このように人間以外の種族をきちんと体系付けたのはトールキンの功績といえるでしょう。トールキンの著書の多くには、それら読者に馴染みの薄い種族についての詳細な解説がなされています。本当にそういった種族がいて、脈々と受け継がれているのだと錯覚してしまうほどなのです。

その綿密な設定が現在のファンタジーの礎になったと言えるでしょう。

そして日本へ
当然、『指輪物語』が最古の創作ファンタジーであるわけはありません。ファンタジー物語は古くからありますし、神話伝承もより広義に解釈すればファンタジー物語という事ができるでしょう。
が、緻密な世界設定により人気を得た『指輪物語』は多くのTRPG、コンピュータRPGに影響し、やがてRPGと言うゲームジャンルも日本に定着していきました。

TVゲームとしては任天堂の『ゼルダの伝説』やT&Eソフトの『ハイドライドスペシャル』が有名です。両方ともアクション要素が強く、『ウルティマ』や『ウィザードリィ』などの本格的なRPGと比べると、“物語性”や“ゲーム性”などで物足りなさが残る内容でした。特に『ハイドライドスペシャル』はパソコンで既に発売されていたタイトル『ハイドライド』を遊びやすく改造したものなのです。

おそらく本格的なRPGには「難しい」「マニアック」というイメージがあったため、アクション要素を追加して遊びやすいものを提供したのではないでしょうか。事実、本格的なRPGはマニアックなファンしか獲得できませんでした。

が、『ドラゴンクエスト』の登場でRPGは一気にメジャーなジャンルになります。『指輪物語』を知らなくても『ドラゴンクエスト』なら知っていると言うユーザーは沢山いることでしょう。
『ドラゴンクエスト』は遊びやすさ、わかりやすい世界観、どこか親しみの持てるモンスターと、キャラクターが成長するというRPGの醍醐味が味わえる名作ですが、実際にヒットするには『ドラゴンクエスト2』の発売を待たなければなりませんでした。

そして『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』のヒットにより、日本でもRPGは花形ジャンルとして定着したのです。皆さんの中にも、普段ゲームをしないのにこれらのタイトルが発売されるたびにゲーム機を押入れから出す人がいるのではないでしょうか?

こうして日本にも広がったRPGですが、残念ながら日本での『指輪物語』の知名度はあまり高いとは言えませんでした。一体どうしてでしょう?

僕は、和製RPGの特徴に秘密があるのではないだろうかと考えました。
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