『ゼノサーガ』はある場面を終えると非常に中途半端なところでエンディングを迎え、最後に「To Be Continude」と表示されて終わります。
最初からそれを知ってプレイしたユーザーは問題ないでしょうが、「さぁ、これからどうなるんだろう」と期待していて突然エンディングを迎えたユーザーは不本意だったことでしょう。何せラストボスをラストボスと知らずに倒してしまったのですから。
これにはしっかりしたアナウンスが必要だったと思いますし、「エピソード1」という表記が誤解を生んだとも言えます。『ゼノギアス』は「エピソード5」でありながら単体で物語が完結しているからです。
もし「前編」などの表記だったなら誤解もなかったでしょう。伏線と謎だらけの状態で放置され、「続きを待ってネ♪」では納得できません。
エピソード1という区切り方で思い出されるのはSF映画の代表作『スターウォーズ』ですが、あちらはエピソード1で物語が一区切りします。その作品の中で盛り上がりがあり、謎や伏線は残されているものの単体で楽しめる作品になっていました。ゼノサーガが制作費や容量などの問題もあって未完で出さざるを得なかったのはわかります。が、せめて相応のアナウンスがあって然るべきでしょう。
■個人的には好きな作品だが、ユーザーへの考慮不足は不服
『ゼノサーガ』をプレイしていると、さまざまなSF作品のオマージュを感じます。キャラクターの個性や、作りこまれた背景世界を膨大な情報で提示する方法論などは、社会現象にもなったアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を彷彿とさせますし、スペースオペラとしては永野護氏のライフワーク『ファイブスターストーリー』を思い起こさせます。
あくまで『スターウォーズ』や『スタートレック』などよりも国産アニメを感じさせるつくりなのですが、緻密な設定で圧倒する方法論は僕の好みで、ストーリー自体は楽しめました。
途中で終わるらしい、という話もWEB上で得ていたのでさほど失望感はありませんでしたが、やはり納得できるものではなかったです。
全体的に「ゲームを楽しむ」というより「アニメの合間にゲームを楽しませてもらっている」という感覚がぬぐえず、シナリオとゲームが別の方向を向いていたような感じでした。
ゲーム中音楽がない部分が多かったのですが、これは個人的には問題ありませんでした。おそらく映画的な効果を狙ったのでしょう。しかし戦闘シーンの音楽が一つだけ(最終ボス以外)というのは少々寂しいかもしれません。
ただ、やはりある程度ユーザーを突き放した「ついて来れるヤツだけついて来い」的な雰囲気を感じました。「登場人物の喋っている内容は一語一句理解したい」という人には徹底的に不向きといえるでしょう。彼らはプレイヤーがまったく知らない単語も説明なしでポンポン使います。
■「ガンダムなら見た」程度なら避けたほうが吉
この記事の冒頭で、「ガンダムを見て育った世代なら何とか楽しめるかも!」と発言しましたが、こうやって検証してみるとちょっと難しそう。この記事で列挙した注意点が許容できて、さらに国産のSFアニメがある程度好きならば楽しめるかもしれません。
僕としては「SFの基礎知識がないと楽しめない」「シナリオが盛り上がりかけたところで突然エンディング」などの要素が気になりました。特にSFが好きと言うわけではないユーザーこそが楽しめるRPGであって欲しかった、と残念に思います。
ゼノサーガはSFマニア専用RPGなのか?
練られた戦闘と成長、しかし終盤はやや単調に
それってゲームとしてどうなのよ?
そうならそうと最初に言って欲しかった
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