鶯谷駅をスタート

夏の散歩は早朝に限る。さて、早朝の散歩ということを考えていると、ふと落語の「付き馬」を思い出した。落語には吉原の話がよく出てくるが、この「付き馬」もそのひとつ。

出勤する人たちでいっぱい

朝の鶯谷駅南口から言問通りへ降りる階段


かつて地名として吉原というのがあったが、今は千束という住所になっている。この一帯は地下鉄の三ノ輪駅も近いが、今回はJR鶯谷駅南口をスタートした。時刻は朝の8時である。

金美館通りを往く

付き馬というのは、客が遊んだ翌朝、精算の時に金が足りなかったりすると自宅までついていく店の若い衆のことである。

落語「付き馬」の主人公も吉原でさんざん遊び、翌朝になると金がないということで、付き馬とともに吉原を出るというところから話は始まる。男は、おばさんの家がある、おじさんの家があそこにあると言いながら、付き馬を翻弄しながら歩いていくというストーリーだ。

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金美館通りに大正公園があり、なぜか太鼓のモニュメントが

というわけで、言問(こととい)通りから昭和通りまで出て、金美館通りから吉原へ向かうこととした。

2名の同行者

「金美館通り」とはおもしろい通りの名前だなと思ったのだが、かつて金美館という映画館があり、この名前がついたそうだ。

今回の散歩は、某出版社の編集者2名。40代、30代の男性である。2名とも吉原には足を運んだことはないと言う。せっかく「付き馬」という落語の舞台を歩くのだから、一人よりは人数が多いほうがいいだろう。

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商店街には「祝 街灯完成記念」の垂れ幕が続く

金美館通りは朝ということで、商店もほとんど開いていない。こういう光景はごく最近だ。昭和の初めくらいまでは、早朝からやっている店も多かったと聞く。朝ご飯などあちらこちらで食べられたそうだ。今はどの街に行ってもそういう光景はまれである。

次ページでは吉原の中を歩きます。