表のワゴンの中をのぞきながら歩く
「空飛ぶ冷し中華」を探して歩く。 |
アサヒグラフがあった。
Eくんは「懐かしいなぁ」と手に取る。
お、読んでいたのかなと聞けば、
「いえ、オヤジがよく読んでいたんですよ」と言う。
そうか、オヤジさんかぁ。
「僕もアサヒグラフには何度か原稿を書いたことがあるよ」
と言うと、驚いていた。それだけ僕とEくんは年齢が離れているのだ。
それにしても僕もアサヒグラフを懐かしく思った。
残念ながら僕が書いた原稿の載っている号は見あたらなかったけれど…。
そんなことよりも「空飛ぶ冷し中華」である。
携帯電話で検索してみると住宅新報社から1977年に刊行されている。昭和52年、僕が高校を卒業した年だ。
そして、Eくんはその頃生まれている。
10年以上前にあったものが今あるわけない
昔はこんな店頭に置かれた棚に「空飛ぶ冷し中華」を見た記憶がある。 |
「空飛ぶ冷し中華」という本だが、僕が東京にきて、この神保町で働いていた頃だ。1980年代の半ばくらいだろうか。
Eくんにそう言うと、あきれられた。
「そんなに昔にあったものが今あるわけないじゃないですか、それに…」
それに、アマゾンで検索すると、古書で3000円の値段がついているのだそうだ。店頭のワゴンに置いてあるわけがない。最初はワゴンを見てまわったが、今度は店の中まで入ってゆっくり見る。
「ブンケンロックサイド」「@ワンダー」といったサブカルチャー系の古書店を丹念に見た。
さらに「悠久堂書店」という料理本のお店もかなり期待しながら見た。
それでもない。だんだんあせってきたぞ。必ず見つかると思ったんだけど…。
「本と街の案内所」に駆け込む!
ここにはパソコンが置かれていて、神保町にある本を検索できる。 |
検索は「BOOK TOWN じんぼう」というサイトなので、普通にネットからも検索が可能だ。
そこで、「空飛ぶ冷し中華」を検索してみるも一冊もない。
しかし、そこの人の話によれば、
「神保町にある十分の一ぐらいの本しか登録されていないので…」
とのこと。なるほど、店の隅に積み上げられている本の中にまだ「空飛ぶ冷し中華」はあるかもしれない。
「神田古書店地図帖」というマップをもらう。これはなかなか便利だ。
さて、「空飛ぶ冷し中華」探しは
次ページでも続く!