散歩/昭和を振り返る散歩ルート

昭和の喫茶店を歩く 神保町~神楽坂散歩(5ページ目)

最近ではめっきり数の少なくなった昔ながらの喫茶店。そんな懐かしい喫茶店めぐりの散歩に出かけてみた。まずは、昔の喫茶店がまだ多く残る神保町をスタート。飯田橋から神楽坂へと歩を進めていった。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

こちらも喫茶店の多い早稲田へ

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早大通りには昔ながらの喫茶店が多い。ここ、「預言カフェ」は新しくできた喫茶店である。
どうも、Eくんの元気がないと思ったら風邪を引いているらしい。
本当は早稲田まで歩く予定だったのだが、彼はここでリタイア。神楽坂の駅の入り口に消えていってしまった。
僕の自宅は早稲田なので、そのまま散歩を続けることになる。
神楽坂通りから、裏通りへ入り、早大通りに出る。
早大通りは、江戸川橋通りより垂直に早稲田大学の正門前までの道である。
ここは、昔ながらの喫茶店が多い。ただ、こじんまりとした店が多く、気をつけていないと通り過ぎてしまいそうだ。
この早大通りにかつて「メルヘン喫茶」という風変わりな喫茶店があったが、今はない。メイド喫茶のようなメルヘンチックなお店で僕は好きだったのだが、そこに今は「預言カフェ」がある。
クリスチャンの方がやっているお店で、コーヒーさえ注文すれば、預言は無料でやってくれる。開店当初はすぐに預言をしてもらえたのだが、今は長蛇の列である。女性ばかりが並んでいる。占いのように質問したりはできない。ただ、自分のこれからの人生を預言してもらえる。

昭和43年オープンの「バロン」

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早稲田にある「珈琲 バロン」。時間が昭和で止まったような喫茶店である。
自宅から近いこともあって、僕がよく行くのはこの「珈琲 バロン」という喫茶店である。たぶん、昭和43年のオープン時からずっとお店にたっていらっしゃるだろう女主人のいるお店。心地のよい椅子がなんとも好きだ。
実はこれから打ち合わせだ。某出版社の編集者と待ち合わせたのだが、なかなかこない。
ここはわかりにくいのだ。そういうところも僕はこの喫茶店の好きなところだ。
そして、店内にはピンク電話があった。

ピンク電話も懐かしい

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「珈琲 バロン」のピンク電話。こちらも現役のようだ。
「珈琲 バロン」で僕はホットコーヒーを注文した。喫茶店の散歩だったのに、きょうコーヒーを飲むのは最初である。
この喫茶店は大学が近いのだが、お客さんで学生はあまり見かけない。時間帯が違うのだろうか。女主人によれば、OBなどはよく懐かしがって訪ねてくるそうだ。
オープンしたのは昭和43年(1968)だそうだ。店内を見渡せば、なるほど昭和で時間が止まっているような喫茶店だ。
編集者がやってきた。まだ20代の男性だが、きょうの散歩の話をすると、
「俺もカフェよりは喫茶店ですね。カフェは新聞がないでしょ、だから買ってから入らなくちゃいけなくて、その値段を考えると喫茶店のほうが得なんですよ」
と言った。なるほど、そういう人もいるんだと感心すると、
彼は煙草をふかしながら大きくうなづいた。



<関連リンク>
神保町「喫茶店」情報 - ナビブラ神保町
ブックハウス神保町:児童書とバーゲンブックの本屋さん
歴史のプロムナ-ド
早稲田>カフェ
カフェ > 預言カフェ
カフェ > 珈琲 バロン
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