高円寺駅で降りて、南に歩く

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こんな旧漢字を使った柱が建っていた。
昔、高円寺に住んでいたことがある。懐かしい町である。
駅の構造や周辺の道は僕が住んでいた90年代のはじめころとは変わりないが、微妙に変わっていたところもあった。たとえば、駅の旧漢字が使われた柱の文字などである。
高円寺は駅によって北側と南側に分かれている。北側に歩ければ早稲田通り、南に歩けば青梅街道にあたる。
改札を出て右へ行けば南、左に行けば北である。
今回は南に歩くので、右へ。パル商店街を行く。
まっすぐゆるやかな坂をのぼっていくと左側に「七つ森」という喫茶店が見えてくる。

「七つ森」でランチを食べる

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1978年にオープンしたという七つ森。レトロな外観だ。
この原稿を書くために「七つ森」についてネットで検索。1978年にオープンしたというのを知って驚いた。
というのも、僕はこの喫茶店に1982年ころよく来ていたが、そのころすでに10年以上経過しているのかと思ったからだ。その理由はもともとレトロ風の建物としてスタートしたからだろう。最初から古かったのだ。
今回行って驚いたのは、隣にあった小さな本屋さんがなくなっていたこと。
よくそこの本屋さんで本を買い、「七つ森」でコーヒーを飲みながら読んだものだ。
そんな記憶をたどりながら、入り口のドアを開けた。
驚いた。20数年前に来たときとまったく同じ空気感が漂っている。
入り口にいちばん近い席に座る。20代だったあのころと同じだ。
独身で彼女のいかなかったあの頃。それも同じだというのが悲しい。

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七つ森のランチA「豚ひき肉のピリ辛丼」。うまい!
店内の様子は変わっているのかいないのかはよくわからなかった。細かいディテールまでは覚えていなかったからだ。
たしか、一度、向こうの席だったかにワハハ本舗の女優が座っていたのを見たことがあった。
あれは誰だったんだろうか。記憶がごちゃごちゃになって思い出せない。
会計をして、お釣りにもらったのが5円玉。こよりがついている。
これも昔とおなじだなぁ。
そういえば、ここの料理はすべて端数に5円がついている。