散歩/江戸風情を探す散歩ルート

吉良邸跡~泉岳寺、忠臣蔵散歩

12月14日といえば、赤穂浪士の討入りの日。というわけで、赤穂浪士が上野介の首を持って高輪の泉岳寺まで歩いたコースを行くことにした。忠臣蔵散歩である。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

忠臣蔵、ゆかりの町・両国を出発

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両国のいたるところで目にしたポスター。忠臣蔵は町の風物詩だ
赤穂浪士が吉良邸に討入りをした12月14日が近いので、吉良邸跡のある両国から高輪の泉岳寺まで歩くことにした。

オールアバウトのプロデュサーはNくんに代わり、新人のEくんである。見た目だけでいえば、Nくん体育会系で新人Eくんは文系というかんじ。でもサッカーをやっていたとかで、健脚に違いない。

それから、今回は読者の外山恵子さんも参加してくれた。外山さんは、Eくんよりも僕に近い世代。元気な方である。お散歩が趣味でけっこう歩く人だそうだ。

待ち合わせたのは両国駅東口。時刻は午後1時。改札前で待っていたご婦人が外山さんであることはすぐにわかった。

「ああ、よかったぁ、きょう携帯を忘れちゃったんですよ」

と外山さん。最近は、携帯を忘れると大変だ。待ち合わせの場所をはっきり決めず、じゃあとは携帯で…ってことが多いからだ。この日は幸い、すぐに会えた。そして、Eくんにもすぐに会えた。

というわけで、今回は3人で歩く。

そば処「玉屋」さんで食事

僕は「討入り定食」を食べた。さあ、これを食べて吉良邸跡へ行くぞ!
まずは腹ごしらえである。この散歩はあまり予定を立てないことにしている。というのも、あらかじめ食事をする店を決めないことにしている。現地に行くと他に入りたいお店があったりするからだ。とはいえ、下調べくらいはしておく。で、Eくんが調べてきた店と僕のが一致した。ビンゴ! お蕎麦屋さんである。

駅前の横綱通りを抜けるとすぐに「玉屋」さんはあった。もう1時をまわっているというのにお客さんはいっぱいである。

「相席でよろしいでしょうか」

とお店の方。もちろん。ここに来たのは、四十七士にまつわるメニューがあるからだ。Eくんは「義士御前」、僕は「討入り定食」、外山さんは「ほうとう」。これが美味い。僕が食べた「討入り定食」は、白菜など野菜がたぷり入ったお蕎麦に天重がセットになっていて、とくにお蕎麦はおいしかった。お腹いっぱいである。今回のお散歩はけっこう距離があるので、しっかり食べておかないとねぇ。

話題はきょうの散歩について。

「この前、旧吉良邸の公園をテレビで見て、ぜひ行きたかったんです」

と外山さん。それにたいして、

「僕、実は忠臣蔵ってよくわかんないんですけどね」

とEくん。28歳のEくんはあまり興味がないらしい。

実は僕も忠臣蔵にはあまり興味がない。忠臣蔵というのは、赤穂浪士の事件を下敷きにしてできた芝居である。芝居だから、赤穂浪士が正義で吉良が悪という構図になっているのだが、どうにもそれがなじめないのだ。とはいえ、実際にあった事件である。今日の散歩は芝居の忠臣蔵というよりも赤穂事件として、吉良邸討入りから高輪の泉岳寺までを歩きたい。
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