散歩/昭和を振り返る散歩ルート

亀有~四つ木 「こち亀」両さんと昭和散歩(3ページ目)

コミック「こち亀」で有名な亀有駅前の両津勘吉像を見て、伊勢屋さんで両さんどら焼を買う。そして曳舟川親水公園を歩き、四つ木まで。昭和の面影を色濃く残す散歩コースだ。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

3Kmの曳舟川親水公園を歩く

屋根から水が落ちてきて涼しげ。しかし、今年は9月14日で終了とのこと
伊勢屋のおばちゃんに曳舟親水公園への行き方を聞いたので、迷わずに行けた。公園というが、遊歩道である。しかも、ただひたすら長い。全長が3kmである。その長さを聞いて、Nくんが尻ごむ。

「雨も降りそうですし、途中でやめましょう」

なんて言われつつしばらく歩いたが、雨は降らなかったし、いい感じの遊歩道なので、Nくんも結局、

「最後まで行きましょう」

ということになった。それだけ、ここは不思議な魅力のある公園である。

その魅力のひとつは、道の脇を流れる小川である。両側が土であろう、草が生えている。都内でこんな川は珍しい。心がなごむねぇ。しばらく行くと、その小川が、きちんと整備されたコンクリートの浅瀬になっていたり、またしばらく行くと、少し大きめの川になったりと景色が変わる。川というか水は道の右側にあり、左側には休憩所、トイレなどが建てられていて、よく整備された公園である。

しかし、なんでこんなに細長い公園なんだろう。看板があって、ちゃんと説明がある。ここはもともと曳舟川という川があった。人工の川である。明暦三年(1657)の大火ののちにできた新市街地である本所・深川へ飲料水を供給する目的で開削されたのだそうだ。亀有上水と呼ばれたこの上水は享保七年に廃止となる。それ以降、「サッパコ」といわれる小舟に人を乗せ、土手にいる人が長い綱によりこの小舟を引っ張った。曳舟川という名前がついたのはこの頃からだ。

なぞの銅像。鷹狩りをしているようだが……
安藤広重により「江戸名所百景」にも描かれている。途中の看板でその絵が出ている。なるほど小さな小舟だ。今でも公園の池などにあるボートくらいの大きさだろうか。舟は二艘ほど描かれていて、一艘には1人、もう一艘には2人が乗っている。一艘を1人の人間が綱を持って引っ張っている。この曳舟は亀有から四つ木方面への交通手段として、明治の初め頃まで存在したのだそうだ。当時は帝釈天詣や水戸街道に出る旅人が多く利用したとのこと。そう思って歩くとこれがまた楽しい。
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