散歩/和む散歩ルート

巣鴨~飛鳥山 とげ抜き地蔵と都電の散歩(3ページ目)

梅雨の晴れ間、おばあちゃんの原宿といわれる巣鴨の商店街を抜け、都電荒川線沿い飛鳥山まで歩く。都電を追い越し、追い越され。時間に追い立てられることのないラストヘブン巣鴨を我らは歩く。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド


お岩さんのお墓にお参り

「巣鴨猿田彦大神庚申堂」の猿像。行きかうおばあちゃんが猛烈に像をなでる
巣鴨地蔵通商店街をさらにまっすぐ歩くと線路があり、踏み切りがある。ここが都電荒川線の「庚申塚」停留所。ここまで来ると、人通りも少なくなる。

「巣鴨猿田彦大神庚申堂」というのが庚申塚の場所にある。境内には狛犬のように猿の像が二対並んでいる。赤い装束を着せられていて、猿の像の下には、なんと「見ざる、聞かざる、言わざる」の三匹の猿の顔が彫られている。実にユニークである。江戸時代、中山道の休憩所として栄えた場所なのだそうだ。

僕たちは線路を辿って、飛鳥山まで行くことにした。最初に見えた踏み切りの向こうにあったのが「妙行寺」。

「あ、ここがお岩さんのお墓があるところですよ」

うなぎ供養塔。不思議だ……
とNくんが教えてくれた。「妙行寺」は不思議なお寺である。都内全うなぎ商の菩提心により建てられた「うなぎ供養塔」やら同様に「魚がし供養塔」がある。「お岩さんのお墓」は墓地の奥にあるのだが、なんで四谷怪談のお岩さんの墓がここにあるのかと思ったら、もともとこのお寺は四谷にあったそうだが、明治42年にこの場所に移転したのだそうだ。

近隣の家が改修工事をしている音、鳥の鳴き声、かすかに電車の音が聞こえただけで、あとは静寂であった。
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