品川埠頭に向かって歩き始めたのだが……
運河に浮かぶ浚渫船。人知れず、時の流れも感じさせず佇む |
北品川から天王洲アイルに向けて歩き始めた。僕たちは旧東海道の京都方面でもなく、日本橋方面でもなく、昔、海だった方角に歩き始めているのだ。しばらく行くと天王洲アイル駅があるが、ここには寄らず、湾岸道路、品川埠頭方向に向かう。
天王洲アイルを過ぎ、橋を渡ると「あー、海だ」とNくんが叫んだ。ああ、たしかに海が見える。「大きなUFOキャッチーですね」と指差す先は、確かにその通り。うまいこと言うね。ゴミなどのコンテナを船に乗せている。この船を浚渫(しゅんせつ)船というのだと、Nくんは教えてくれた。
金網越しに見えるお台場方面。かすかにフジテレビの社屋も見える |
モノレールを下から見上げる不思議さ
モノレールの往来激しく。お台場にはない、街の落ち着きが天王洲アイルにはある |
モノレールの真下を歩いていると、いきなり轟音とともにモノレールが通り過ぎている。おお、ものすごい迫力だ。初めて見るな、下から車両を見るなんて。
しばらく歩くと、ビルの前にぬいぐるみと水着のお姉さん。なんだ、なんだ。僕とNくんは胸躍らせながら近づいた。見れば、報知新聞社の前。ああ、コンパニオンさんとキャラクターのぬいぐるみの写真を撮っているのだ。こういう光景に合うのも散歩ならでは。本当に散歩というのはいろいろなドラマがあるもんだ。
ちょっと得した気分で、僕たちは天王洲アイルに向かう。