目赤不動尊にお参りし、下駄福さんで下駄を買う
宮沢賢治の童話『注文の多い料理店』に出てくる「山猫軒」を模したレストランの看板 |
「下駄福」という下駄を売る店に入ってみた。今年で創業123年、応対に出てこられたご主人が三代目だそうだ。
「以前はもっと大きい店だったんですけど、震災と戦災で2度焼けまして」
と三代目は言う。震災とは関東大震災、戦災とは第二次世界大戦の空襲である。
「下駄福」の三代目主人。意気揚々と下駄について語ってくれた |
「まあ、最近では近所を歩く程度にしか履かないですけれど、実際は、ほら、こうして体重を乗せると、自然に前に倒れてくれるので、あんがい下駄で歩くのは楽なんですよ」
とおっしゃる。なるほど。というわけで、3200円の下駄を購入。
さっそく、ウォーキングシューズから下駄に履き替えてみる。これが実に気持ちいい。さらに三代目がおっしゃっていたことがよくわかる。前のめりで歩くと楽だ。
さらに歩くと「目赤不動尊」というのがあった。えっ、本当なんだと驚いた。というのも、目白、目黒というのは、山手線の駅名にもなって有名である。で、たしか昔、誰かが「赤、黄、青があるんだ」と言っていたのを聞いたことがある。信号じゃあるまいし、てっきり冗談かと思っていたが、本当にあるらしい。黒、白、赤、黄、青とあり、これらをまとめて五色不動尊と言うらしい。おもしろいなぁ。
降りだした雨。雨の散歩も悪くない |
「甘味処 蟻ん房」であんみつを食べる
「甘味処 蟻ん房」のあんみつ。歩いたあとの体に甘さが浸透していく |
本郷通りを駒込駅を越え、しばらく行くと、女子栄養大学への道を曲がると「甘味処 蟻ん房」がある。昔ながらの甘味処である。妙になつかしい。
「お昼に食べたナポリタンでまだお腹一杯ですよ」
というNくんは、ソーダ水。僕はあんみつを注文。このあんみつはなかなかの美味。
あんみつを食べ、表に出ると日が差していた。夕暮れのやさしい日差しだった。NくんはJRの駒込駅へ。僕は地下鉄南北線の駒込駅へ。
楽しい散歩だった。本郷界隈は、また何度か来ないといけないなぁと感じた。
【参考までに今回の散歩ルート】
本郷3丁目「かねやす」からスタートし、駒込まで。東大、樋口一葉の菊坂旧居跡など、歩けば何かしらにぶつかる文学散歩。地域の住民の人の迷惑にならないよう、気をつけよう。今回の所要時間6時間程度。普通にあるけば3時間もかからないだろう |
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