散歩/和む散歩ルート

中野駅北口から哲学堂へ 瞑想する散歩

中野駅からブロードウェイを抜けて、刑務所作業製品を購入。そして、平和の森公園を抜け、哲学堂をめざす。歩くといろんなことに遭遇する。歩くことは哲学であり、瞑想なのだ。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

中野駅北口集合し、普通のハンバーグを食べる

中野サンプラザを背景に、いざ中野散歩へ
今回もメールマガジンで一緒に散歩してくれる人を求めたのだけれど、参加者はゼロ。ちょっと悲しいスタートだ。しかも空は曇天。

重苦しい雰囲気の中、この人が気分を盛り上げてくれる。いつも同行してくれるプロデューサーのNくんだ。

いきなり、彼は

「佐世保バーガーっていうのがあるんで、そこでお昼を食べませんか」

と言う。おー、佐世保バーガーねぇ、いいよねぇ。しかしさぁ、今日は方向が違うんだよね。あれは南口だから。南方面に歩くときに行こうということで却下。

ここは、JR中野駅北口改札だ。中野駅には北と南に大きな改札があって、南口は「丸井のあるほう」、北口は「中野サンプラザがあるほう」と昔から僕の頭には入っている。

名物「中野ライター」。ただ、中野と書いてあるだけですが…
というわけで、目の前には「中野サンモール」という商店街がある。ここをまず抜けることにする。商店街の右側に「煙草屋万富」がある。どういうわけかこれまで知り合いの女性が働いている。知った顔かと思ったら、また別の、やはり知った顔の娘がいた。昔、煙草はばら売りで1本からでも買えたというような話を昔の小説かエッセイで読んだが、この煙草屋もそんな雰囲気を受け継いでいるように思う。

煙草はやめたいけれど、やめられない僕の悪癖のひとつだ。パイプ用の煙草、ボルクムリーフを買い求める。

まっすぐ行くと中野ブロードウェイだが、商店街を右に曲がり、細い路地に入っていく。このあたりは安いランチの店がたくさんある。

500円、ワンコインで食べられるうな丼だとかとにかく安い店が多い。僕はかつて東中野に住んでいた時期がある。もう20年も前のことだ。このあたりに古本屋があって、そこで、本を買って、この「ハンバーグハウス」によくやってきていた。

N君はチーズハンバーグを注文。いつきても変わらないほっとする味だ
いつも少し辛いメキシカンバーグを注文した。今は630円。昔はもっと安かったように思う。食べ終わって外に出るとNくんが、感動している。

「ここの店の人、めちゃくちゃいい人ですよ」

なんでだと聞けば

「こっそり耳元で『お客さん、チャック開いてますよ』って教えてくれたんです」

と言う。見れば、僕もチャックが開いていた。しまらない散歩の始まりだ。

歩き始めるとNくん、

「でも、あそこのハンバーグ、普通すぎるくらい普通でしたね」

と言った。僕が20年前きたときも同じ感想だった。そう、ここのハンバーグは普通の味なのだ。そして、いつきても同じ味。辛いとされているメキシカンバーグはさほど辛くなく、タバスコをかける。毎回そうだ。

中野ブロードウェイ。いまや秋葉原と並ぶオタクのメッカになりつつある
中野ブロードウェイに入る。ここから商店街のアーケードではなく、ビルなのだ。今では秋葉原と並ぶオタクのメッカ。2階にあがってみると、同人誌やフィギュアを売る店がいくつもある。見ているだけでもなかなか楽しい。
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