東北の南部まで梅雨入りし、全国的にうっとうしい季節になりました。 長袖を引っ張り出すほど寒くなったかと思えば、ジメジメじとじとと蒸し暑かったり、本当にイヤな季節ですよね。 海も、天気は悪いのに波がない、という悲しい状況が続きます。 ボディボーダーにとっては踏んだり蹴ったりの梅雨時ですが、本格的な海開きの前のこの時期こそ、海はまだ空いています。 また、春先よりも約10℃水温が高いので、シーガルやロングスリーブスプリングで入ることもできます。 そこで今回は、なかなか難しい梅雨時の波予想のコツについてお届けします。
梅雨時は、全国的に波無し状態になってしまいます。 これは一体どうしてでしょうか。 新聞の天気図を手元に置いてちょっと見てみて下さい。 日本列島の少し南に、東西に長く伸びる停滞前線があります。 言わずと知れた梅雨前線です。 日本にジメジメと長雨をもたらす前線の下の方(南)には高気圧がありますね。 これは真夏の太平洋高気圧で、ここからは南風が吹いており、時には台風の卵が出来ていることもあります。 しかし、この南風や台風からのうねりは、ちょうど梅雨前線にブロックされる格好になり、残念ながら梅雨時に日本に届くことはまれになってしまうのです。
しかし、前線がどっしりと居座ってしまうちょうど今頃の時期は期待薄ですが、梅雨明けの声が聞こえるかな、という頃になると、前線の動きは不安定になり、その位置や形によっては波の立つ条件が整う事もあります。 ポイントは「前線の北上」です!
<梅雨前線が本州より南下した時>
前線上の低気圧にむかって北よりの風が吹きます。 日本海側のポイントなど北東の風がオフショアのポイントに風波が立ちます。 低気圧が発達してくればうねりも増えるので、太平洋側でも波乗りできる「かも」しれません。 ただし水温はさほど変わりませんが、気温が下がるので、ポイントによってはセミドライが恋しくなってしまうほどです。
<梅雨前線が本州より北上した時>
湿度の高い蒸し暑い天気になり、南よりの風が吹きます。 このため、風波ですが太平洋岸に沖合のウネリが届く事もあります。 また、この時期(6~7月)は午後から潮が高くなります。 数少ないチャンスをモノにするためにも、こういう時こそ潮汐表を参考にしましょう。 特に大潮や中潮まわりの干満差の大きい日には、上げに変わった頃から沖合のウネリが入り始めることがあります。 さらに、ちょうど台風の卵ができていれば、運良くビッグスウェルが届く事もあります。 特に前線に切れ目があれば期待大ですよ!