前から疑問に思っていたことのひとつに、ラバーの性能の問題がある。ラバー自体の性能というより、性能を説明する宣伝文に引っかかるのだ。
驚異的なスピード、猛烈なスピン、抜群のコントロール……。
こんな高性能の、いわば「万能」をうたったラバーがある。しかも、かなりの数にのぼるのだ。各メーカーの研究開発の成果であるのだろうが、ラバーを買う愛好者の立場からすると、話がうますぎる気がしないでもない。
そもそもスピンを生みだす摩擦は、スピードを殺す働きをするのではなかったか。それとも科学技術や素材の進歩は、力学の原理まで変えてしまったのか。とりわけ理科が苦手だったくせに、そんな疑問が湧いてきてしまうのだ。
だからだろうか、アンドロの新製品ラバー「レボリューションC.O.R.」の宣伝文に惹かれたのは。
《超硬質なスポンジにより強大なエネルギーをボールに与えるため、非力な方やビギナーの方には向きません。トッププレーヤーを目指したい方や、フルスイングで戦うパワー攻撃型の選手には最高の選択です》
どうだ、この潔い絞り込みは! ビギナーや大多数の女性には「手を出すな」と警告を発し、マーケット市場としては狭い「腕力のある上級者向け」とうたっているのである。もちろん、そういったマーケティング戦略も効果的なのだろうが、少なくとも、買う側に迷いを生じさせない姿勢は好感がもてる。
さて、「レボリューションC.O.R.」の特徴は、「とにかくボールが飛ぶ」ということ。多くのトップ選手が好む硬めのスポンジを素材に、TENSOR TECHNOLOGY-3G (第三世代テンゾーテクノロジー)という技術によって開発され、打球したときにボールに伝わるエネルギーが飛躍的に高まったという。スピードグルーを使用すると効果はさらにアップし、これまでにない「ボールの飛び」が体感できるそうだ。
アンドロの担当者は、「スイートスポットを少し外したていどなら、十分なスピードとスピンを与えられます」という。なるほど。安定性は二の次、とにかく「破壊力満点」のラバーに仕上がったというわけだ。独自の「51パーセント理論」を追求し、体現した荻村伊智朗さんがご存命だったなら、真っ先に飛びつくのではないかという気がしないでもない。
発売開始は11月21日の予定。だが、それに先駆けてAll About Japanのユーザー(5名)の中でモニターになってくださる方にプレゼントしてもらえることになった。プレゼント&モニターへの応募方法は次のページ。