日本卓球協会の飯田亮(いいだ・まこと)会長が、3期目の任期満了となる来年3月の役員改選をもって退任する意向を示していることが21日明らかになった。このため、卓球協会はこの日開いた理事会、評議員会で、飯田氏から次期会長候補として推薦された大林組代表取締役副会長の大林剛郎(おおばやし・たけお)氏を「特別顧問」に迎え、来年4月からの会長就任を要請していくことを決めた。

同協会の役員の任期は1期2年で、再任は妨げられていない。70歳の飯田会長は、会長就任時75歳未満という年齢規定にも触れない。理事会で承認されれば続投は可能だ。しかし、飯田会長の辞意は固いという。いわゆる勇退である。

「世代交代が遅れては将来に禍根を残す」。セコムが35周年を迎えた1997年、そんな強固な意志で周囲を説き伏せ、会長を退任し、最高顧問に落ち着いたという。60代半ばにして自ら創業した会社の会長の椅子にすら固執しない、飯田氏らしい引き際の美学が、今回の協会会長の退任にも滲んで見える。

それは自らの身の処し方にとどまらない。次期会長候補の大林氏は卓球の経験こそないというが、1954年生まれの49歳。同協会では過去に15人が会長を務めてきたが、40代で就任した例はないという。大林氏が就任すれば、かねてより叫ばれてきた若返りがようやく実現する。

セコム最高顧問の飯田氏は、専務理事の「解任事件」で強烈なリーダーシップを発揮し、分裂の危機すら孕んだ難局を乗り越えた。いわば協会のセキュリティを確保したところで、大林氏にバトンタッチすることになる。大林組は建設や開発、環境整備の事業を手掛ける大企業である。新鮮で、クリーンな卓球協会が築かれることを願いたい。

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