卓球というスポーツの根幹にナタを振るうこれら一連の大改革は、すべて「観る側」からのものです。「やる側」の意志は無視されており、「あまりに性急すぎる」という反発の声をあげている選手に同情したくもなります。

が、決まってしまった以上、11点制でやらざるをえない。21点制から大幅に変更されたルールのもと、どう戦っていけばいいのか。

試験的に行われた11点制の試合を体験している松下浩二選手は、こう話しています。

「1ゲーム目の出だしからスパートをかけて、目先のポイントをとるプレーをしていると、後半、相手に戦術を読まれてしまい、苦しくなりますね。前半でポイントをとることも必要ですが、5ゲームマッチなら5ゲーム全体をどう戦っていくのか、を念頭においてプレーしたほうがいいと思います」

元日本ナショナルチーム総監督の高島規郎さんは、まず頭の切り替えが必要だといいます。

「21本の感覚がしみついていますから、8オールが18オールとイコールだというイメージを、なかなか持ちにくいんですね。10オールからスタートしているんだという気持ちでやらないと。出遅れたら、あっという間に終わりますから」

それゆえ、いままで以上に「先行逃げ切り策」が主流になる、と高島さんは予測しています。

「テスト試行された11点マッチを何試合も見ましたけど、2点以上差がつくとなかなか挽回できないんですね。サービスが2本交替になりますので、流れや勢いで一気に追い上げるのが難しい。そういう意味では、力の差はもっとあらわれます。得点パターンのバリエーションが多い選手が有利ですね」

そして、サービスの場合は2本目、レシーブのときは1本目が重要だと説きます。

「サービスでは2本目を確実にポイントできるような組み立てを考えることが大事。レシーブに回ったら、1本目から相手の出鼻をくじくようなレシーブをするという心構えが必要です」

11点制では、自分のサービスだけではなく、相手のサービスをも含めた4本単位での戦術の組み立てが必要になるのかもしれませんね。

ともあれ、間もなく卓球は21点制から11点制へ移行します。仏教の諸行無常という言葉は「わびしさ」ではなく「現実はダイナミックに移り変わる」という意味をあらわしたものだ、というようなことをどこかで読んだ記憶があります。

40ミリボール、11点制という大改革の断行が、卓球をよりダイナミックなものに変貌させてくれますように。

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