プロレス/プロレス関連情報

伝わらない"表現者"のメッセージ(2ページ目)

今月2日の自主興行では、過激な内容からバッシングを受けたバラモン兄弟。だが、その一方では、彼等が伝えたかった想いが何一つとして観る側へと届いていない事実もあるのだ。

執筆者:川頭 広卓

「宇宙は広くて俺達には分からねぇ事だらけ」

――先日(23日)は、みちのくプロレス後楽園大会において、ザ・グレート・サスケ&ザ・グレート・フジタ・ミノル組との一戦が行われ、遂に宇宙規模での闘いとなりました。

ケイ「最近国会で、UFO論議が交されてたみたいじゃないか。日本の政府は今頃気付いたか。俺達なんかずっと前からサスケ星人の存在に気付いて、宇宙戦争やってんのによぉ。まぁ、防衛省も“宇宙人が地球の皆さん仲良くしよう”と言ってきたら自衛隊の出動は難しいなんて言ってるようじゃまだまだだけどな」

――宇宙大戦争は、文字通り壮絶な闘いとなりましたね。

ケイ「今年は、日本だけじゃなく世界的にもUFOが注目された年だったんじゃないか?まずイギリスとフランス国防省がUFOに関する情報のデータを公開しただろ。7カ国が集まり元政府関係者や軍のお偉方でシンポジウム開催、UFOの存在を否定してるアメリカにも一緒に調査しようなんて呼びかけたりもしてたな。そんなUFOブームの中で“宇宙大戦争~最終章~”が開戦して、俺達も負けてばかりいられねぇ。『スター・ウォーズ計画』として、サスケ星人捕獲用の和棺を用意したんだ。戦争は、思った通りお互いのテクノロジーを駆使した高度な戦いになったよ。途中、和棺を被ったサスケ星人は宇宙へ飛び立とうとしやがった。残念ながら、地球じゃエネルギーを使い切れなくて墜落したけどな。死体みたいになったサスケ星人と和棺の残骸。

これは、ロズウェル事件の再来だったな。そう言えば、あの事件は1947年。今年で調度60周年を迎えたって訳だ。UFOが注目されたのは偶然じゃなかったんだな。結局、サスケ星人の椅子盛りセグウェイっちゅう恐ろしいプラズマ兵器の前に我々地球人は、敗北しちまった。だが、サスケ星人は記憶を失ってたみたいだな。宇宙人が別の宇宙人にアブダクションされたって事か?全く宇宙は広くて俺達には分からねぇ事だらけだ。分かってるのは、サスケ星人の正体を暴かない限り、『宇宙戦争』は永遠に続くって事だけだ。人間が地球を破壊するのか・・・、宇宙人が地球を破壊するのか・・・、それだけの違いなんだがな」

――なるほど・・・。シュウさんの方はいかがですか?

シュウ「我々地球人は、まだまだ遅れた文明を持つ生物だったって事だな。科学を越えた全くもって不合理で理解不能、非常識かつ珍妙な行動。地球人の今の科学力では、到底解明するのは不可能だ。愚かな観衆は、不合理で非常識なこの行動に夢を抱き、歓喜をあげてたけど完全なるマインドコントロールだよ!徐々に三島由紀夫の『美しい星』じゃないけど、宇宙人信仰が進んでいるよな。

“DNAテクノロジーによって地球の生命を創造したのはサスケだ”と言いかねやしない。更に地球人達はモーゼにブッタ、キリストにマホメット、総ての根源はサスケだと言いだすに違いない。宇宙を見上げ憧れを抱くだろう。地球人がそんな風にサスケに想いを寄せたらサスケのおもうつぼだよ。地球人がサスケ脳になっちまう。そして、人類は滅亡へと向かって行くわけだ。危険な仕事だが、地球人と宇宙人の生き残りをかけた宇宙大戦争、命の続く限り闘うつもりだ。それともうひとつ、最近サスケの歌う『セパラードス』に宇宙人語が混じっているらしく目下研究中だ」

――さ、さて、次は、バラモン(佐藤)兄弟にとっても、年内最終戦となるエルドラド後楽園ホール大会(29日)が迫ってきましたね。

シュウ「大統領だってブッ飛ばしてやるぜ。」

ケイ「タイトルマッチだろうと何だろと関係ねぇ。俺達は、何するにも大真面目よ。それがどんな形で客の前に現れるか。後は、観た奴が判断すればいい。」

――それは、意味深ですね。“お客さんに考えて判断してくれ”というのは?

シュウ「俺達はヒールだから理屈こねたって仕方ないし、そんな事したくない。でも、俺達を理解出来てない奴等が多過ぎる。仕方ねぇから、今日はバラモン兄弟がどんな思想を持って戦ってるか教えてやるよ。狂いの戯言だと思って聞いてくれ」

――お客さんが“バラモン兄弟の思想”を理解していないと?

ケイ「俺達がやってるのはプロレスだから、プロレスからは外れたくない。目先の笑いに走るのは一番嫌だな。試合でもそれ以外でも俺達は、いつだって真剣だ。その光景を観てただの悪ふざけと取るか。何か意味があるんじゃないかと考えて観るか。そこには大きいな違いがある」

――それは、今月2日に行われたバラモン興行のことですか?専門誌では「斬る」という見出しで、思い切りバッシングされてましたね?まず、どんなきっかけで初のプロデュース興行を行ったのですか?

ケイ「前からやりたいと考えていた事があって、たまたまそれを表現できるチャンスが与えられた。何らかの力が働いたんだろうな。材料も揃ってた。これは偶然じゃなく必然。最初からやるようになってたんだな。」
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