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さくらコラム第9回:プロレスラーの受け身

大好評さくらコラム第9回は『受け身』!プロレスにとっては基礎でありながら、最重要の技術と言える。しかし、広田は現役時代、既に独自の受け身を開発していたという・・・。その秘密とは?

執筆者:川頭 広卓

【女子プロレス卒業生、広田さくらによるコラム/秘密の女子プロレス】
今回のテーマは“受け身”です。

プロレスとは、受け身である。
プロレスラーたるもの、受け身に始まり受け身に終わる。

私が言うのもなんですが、そのくらいプロレスにおける受け身は重要なのです。
いかなる場合、いかなる角度で落ちても、しっかりした受け身を取ることが、ダメージを最小限にし、自分の身を守ることになるのです。

たった一種類の受け身ができず、去った者も・・・

素晴らしい連携:長与が広田にテコの原理を応用したシーソーホイップを掛け、その勢いで広田がボディプレスのように倒れこむ。写真の試合では、待ち構えていた足に顔から突っ込んで失敗した
GAEAの道場でも、練習生の頃はとにかく受け身を叩き込まれました。
攻めのテクニックよりも、基礎体力よりも、とにかく時間をかけるのが受け身。
前受け身・後ろ受け身・横受け身、前方回転受け身…いくつもの身につけるべき受け身の種類があり、どんなに運動能力が優れていても、スター性があっても、完璧に出来ない受け身がひとつでもあれば、そこから先の過程には進めません。実際に、たった一種類の受け身がどうしても身につけられず、挫折した練習生もいました。

また、受け身は「身を守る」という本来の目的と同時に、「相手の技をダイナミックに見せる」ための側面もあります。
例えば相手にドロップキックをされた時、普通の女の子が倒れるように、なよっと小さく受け身を取ってしまったとします。

当然、間違った受け身は、足を捻ったり不自然に頭を打ったりして予期せぬ追加ダメージを受ける可能性があります。
しかし、体全体を使って大きく後ろ受け身を取ることでダメージを分散できるし、マットへの衝撃音もバン!と大きく響くので、結果的にドロップキックそのものもダイナミックに映ります。

余談ですが、そんな事考えなくても普通に十分ぶっ飛ぶし、受け身関係なく威力が伝わるのは、豊田真奈美選手のドロップキックです。あれはもう、自分の身を守るだけで必死でした。衝突のわかりきった交通事故ほど怖いものはありません。

そんな感じで、本当はこんな短い文章ではとても語り尽くせないのですが、ざっくりと受け身の重要性、分かっていただけましたでしょうか?
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