その舵取り役、TAKAみちのくは日本のインディー団体からメジャー団体、さらには世界最高峰のリングWWEをも席巻した数少ないレスラーの1人。二番煎じを嫌うそのアイデンティティで、生存競争激しいWWEでもブレイクを果たし、大型外国人選手を率いては低迷する全日本プロレスに再び命を吹き込んだ。
現在も複数の団体をまたにかけて活躍を続けるTAKAみちのく。ここ最近ではインディーサミット2006、プロレスサミットといった団体交流戦を舞台にそのマッチメイクを手がけ、またKAIENTAI-DOJOとしてはプロレス連盟GPWAにも加盟。その豊富なキャリアや世界的なネットワークがプロレス界にもたらす効果はとてつもなく大きく、今もなお選手として活躍する傍ら、時に裏方やスポークスマンとしても業界の発展に日夜奔走する。
「難しいことは頭のいい人達に任せて」とはぐらかしながらも、その口から出てくる言葉は、誰よりも熱く重い。TAKAみちのくにじっくり話を聞いた1時間。WWE時代のエピソードに、KAIENTAI-DOJOの構想、選手の育成、業界の土壌作り、もちろん“選手としてのTAKAみちのく”。その話は多岐に渡った。
偶然生まれたヒットコール、WWEでのブレイク
KAIENTAI-DOJOの本拠地、千葉BlueFieldにて |
TAKA:当時は、そんな返信ばっかりしてたかも。
ガイド:みちのくプロレスが東京にきた時とか、J-CUP〔※2:次々ページで解説〕に出場したTAKAさんをずっと観てましたから、そんな選手が海を渡って、WWF(現WWE/以下WWEで統一)でHHHと闘っているのですから、それはそれは感動しました。
TAKA:あれは自分も感動しましたね。その時は「なんで俺がHHHと世界戦のタイトルマッチ?」って思いましたけど、後で知ったんですが当時、WCWとWWEが同時刻に視聴率争いをしていたんですよ。そこでちょうど一番時間が被るポイントに「HHHの挑戦者は誰だ?」みたいに煽っていて、そこで出てきたのは自分……みたいな。
ガイド:まさに番組のクライマックスで登場しましたよね。
TAKA:要はWCWを完全にコケにするためのビックリサプライズだったんですよ。あ、そういうのに使われてたんだ、俺って(笑)。
ガイド:試合は本当に素晴らしかったと思います。
TAKA:でも、HHHは潰したりしないで、いい仕事をしてくれる選手だったので、いい試合にはなりましたけど感激しましたよね。まあ、そういう裏話もあったと。
ガイド:IndeedのブレイクはTAKAさんにとっても、トップどころと対戦したり、TVショーの常連になったりと大きな転機となったのではないですか?
TAKA:Indeedは、うちらKAIENTAI〔※3:次々ページで解説〕がニューヨークにいる中で一番ブレイクしたんですよね。毎週RAWとSMACKDOWNに出たり、(KAIENTAI)Tシャツが売れまくったり。ただ、あれも……。
ガイド:やはり裏話がありますか(笑)。
TAKA:シェーン(マクマホン)に「TAKA、今日入場の時になんかしゃべれ」って言われ、「でも、俺は英語しゃべれない」って言っても、「なんかしゃべればいいから」と言われたんですよ。で、入場曲鳴って、その通りにやるんだけど、実はマイクが入ってなかった。そしたら後ろから(マイクに合わせて)英語の吹き替えが流れてきて、自分だけが何が起こっているのかわからないという。
ガイド:でも、マイクは入ってないし、そこでおかしいと思わず、よく最後までやり抜きましたよね?
TAKA:思ったけど後ろから声出てるし……。後で聞いたら「面白いだろ?」って。要はシェーンのただのいたずらから始まったんですよ。ギャグでやったら受けちゃった。そしたらWWEでも売り出そうってなったんですけど、そういうのって多いんですよ。気まぐれ。
ガイド:そんなもんなんですか!?
TAKA:ただ、いい時はあまり続かず、ちょうどあの直後に9.11の事件があったんですよね。それで規制もあり、ふいになってしまったんです。