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ゆでたまご嶋田先生が語るキン肉マン2(2ページ目)

ゆでたまご・嶋田隆司先生へのインタビュー続編。第2回では、『キン肉マン』人気になくてはならない無数の登場人物や、これらを生み出した嶋田先生の嗅覚と感性に迫る。

執筆者:川頭 広卓

編集担当に助けられた苦しい時代

(左)嶋田先生。当時を振り返るように、そしてときに笑顔でインタビューに答えてくれた
ガイド:“アデランスの中野さん”は実在する方?というか編集担当の方だったのですか!?

嶋田先生:中野さんはアイデアマンでしたね。僕ら原稿料を二人で20万(本来の一人分)貰っていたので、少なかったんですよ。だから食べていけないんです。僕も中井君も母子家庭だったんですけど、親からは「そんな仕事辞めなさい」って言われてましたから。そしたら、3ヶ月くらい経った時に、中野さんが「森永(森永製菓株式会社)の社長がすごい君達の作品を気に入ってて、自分の会社のお菓子をキン肉マンに食べさせてくれたら20万円あげるって言ってる」って。

ガイド:随分太っ腹な社長さんですね!

嶋田先生:原稿料が20万円なのに、一回キン肉マンにお菓子食べさせても20万円。こりゃ、やっていけるなって(笑)

ガイド:タイアップ企画としても、当時では斬新です。

嶋田先生:それでポテロングだとか、森永ココアだとか……。で、それがずっと続いて、4年目でアニメになった時に、アニメのスポンサーにもなって頂いて、森永にはすごいお世話になってますね。

ガイド:それは素晴らしい縁ですね。

嶋田先生:そうですね。グリコ・森永事件(注1)で森永が多大な損害を出した時、お菓子を袋詰めで販売するってなって、森永から「少しイメージが悪くなってしまうかもしれませんが袋にキン肉マンを使わせて下さい」って言われましたけど、僕らは「全然使って下さい」って。

ガイド:製菓業界にまで貢献されていたのですね。実際、先生がそこまで強い影響力を実感するようになったのはいつ頃からですか?

嶋田先生:編集者に聞かされたり、新聞で見たりとかしましたけど、実感っていうのはなかったですね。でもアニメが始まる前、キン消しが発売されて、近所のダイエーのガチャガチャの前に子供が並んでいたのを見て、「凄いことになってるな」って。なんか他人事みたいでしたよ。
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