10敗もローテーションだからこその勲章
今季、オリオールズ・上原は、5月に左太モモ裏痛でDL(故障者リスト)入りし、6月には右ヒジ腱(けん)の部分断裂が発覚。戦列復帰は9月後半といわれている。また、レッドソックス・松坂は右肩不安のため、6月20日に今季3度目のDL入り。7月31日(同8月1日)にはDL期間が15日間から60日間へ延ばされている。マイナーで調整し、ここに来てようやく復帰のメドが立ってきた状態だ。そして、ドジャース・黒田も4月に左脇腹の違和感でDL入り、8月には打球を右側頭部に受け、2度目のDL入りとなってしまった。松坂同様、マイナーで調整して、復帰のメドを立てたところだ。川上はどうだったか。DL入りは1度もない。6月24日(同25日)のヤンキース戦で打球を首に受けたが、すぐに復帰した。8月26日(同27日)のパドレス戦で今季10敗目を喫した。2ケタ黒星となるのは中日時代の2001年に10敗して以来8年ぶりのことだが、先発で投げ続けてきたからこその“勲章”だ。開幕から先発ローテーション入りした日本人投手で唯一、踏ん張っている川上は、「日本人投手はみんなDLという評価になる。だから自分は残らなあかんと思っている」と言ってはばからない。
今やチームがワイルドカードでのプレーオフ進出を果たすための重要なキーマンになっている川上。これからの登板1つ1つが大きな意味を持ってくる。
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