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松井稼頭央、成功のきっかけは「日記」(3ページ目)

アストロズ松井稼頭央内野手が、日米通算2000本安打達成まであと「10」とした。紆余曲折を経て再び浮上する、そのきっかけを探ってみた。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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松井稼頭央が見せる本当のサムライ魂

もうひとつ、今の松井稼を大きく変える出来事があった。ロッキーズで初めて実績を残せた07年オフ、日本のある球団が好条件で復帰を求めてきた。その誘いを、「アメリカで何もできていないのに、日本へ帰りたくはない」と断った。退路を断って、まさに背水の陣を敷いたのである。「ボロぞうきんのようになっても、アメリカで野球をし続けたい」という強い思いがその根底にあった。そこにアストロズから3年総額1650万ドル(約16億5000万円)のオファーが来たのだ。

95年に野茂が扉を開いたメジャーリーガーへの道。すでに多くの選手が海を渡り、また逆に日本球界に戻ったりしている。伊良部(阪神)や石井一(ヤクルト→西武)、今年も井口(ロッテ)や福盛(楽天)がカムバックした。来年以降も“復帰組”は増えるだろう。

しかし、松井稼のような男もいる。「成功した」といわれるまで、とにかくしがみ付く。これが本当のサムライ魂かもしれない。



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