野球/WBC 最新コラム

WBC連覇。目を引く原監督の柔軟性(3ページ目)

韓国を下し、日本がWBC連覇を果たした。連覇の要因はいくつかある。ここ一番での選手の奮起、そして目を引くのは原監督の柔軟性だ。勝利を手繰りよせた要因を解説していこう。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

スターにこそわかる、スターの気持ち

現ドジャースのジョー・トーリ監督は、メッツ、ブレーブス、カージナルス時代は勝率5割そこそこの監督だったが、1996年ヤンキースの監督に就任するとその才能が開花、チームを12年連続でプレーオフへ導き、4度の世界一に輝いている。

成功要因のひとつに、自らスーパースターだったトーリ監督はヤンキースのスーパースターたちの気持ちをよく把握したことが挙げられる。この際の選手起用の指針が「その時(今)の調子、状態を優先」だった。経験豊富で実績のあるスーパースターたちも、この言葉の前には従わざるを得ない。自らもスーパースターで巨人という人気チームを率いる原監督も、日本代表のつわものどもをまとめ、起用するのに「その時(今)の調子、状態を優先」は正解だった。だから勝てたともいえる。

対戦システムの改善が最優先課題

しかし、トーリ監督と原監督の違いは、その後のフォローだ。トーリ監督は外した選手と必ず1対1で話し合い、なぜ外したかの理由を説明し、納得させる。原監督が藤川とそこまで話し合ったかは疑問。もちろん、全日本は1シーズンを戦い抜くチームではないので、そこまでは必要ないかもしれないが、たとえそうでもトーリ監督ならそこまでしただろう。

第3回大会は2013年に予定されている。今回、日本が9試合中5度も韓国と当たるという不合理をなくすため、対戦システムを改善するのが最優先課題。

いずれにしても、日本が再び原ジャパンで出場する可能性が高まる優勝となった。



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