聞く耳を持った原監督の頭の柔らかさ、柔軟性

東京ラウンドでの韓国との1位決定戦、0対1で迎えた8回一死一塁。走者がイチローで、韓国のマウンドがフォームの大きい右サイドスロー林昌勇(ヤクルト)なのに、原監督は中島に送りバントのサインを出した。結局、得点に結びつかずに敗戦したが、この采配がキューバのカストロ前議長を始め、各方面から大ブーイングを受けた。すると、アリゾナでのメジャーとのオープン戦でダブルスチールを敢行させるなど、機動力をメインにする戦い方に軌道修正。

2ラウンド、決勝ラウンドとも「足」は日本最大の武器になり、優勝に結びつけた。ふつうの頑固な監督ならこれほど修正できたかどうか。聞く耳を持った原監督の頭の柔らかさ、柔軟性といえるだろう。

藤川に固執せず、ダルビッシュをスパッと起用

柔軟性の例をもうひとつ。宮崎での強化合宿で、原監督は侍ジャパンの守護神に藤川を指名した。ところが、アメリカでの第2ラウンド以降、藤川はボールが合わないこともあり、ストレートの走りが悪い。そこで原監督は準決勝のアメリカ戦、決勝の韓国戦ともダルビッシュを最後のマウンドへ送り、成功した。

某監督ならば藤川に固執して、連覇を逃していたかもしれない。原監督はダルビッシュ起用を「ブルペンで最も調子、状態がいい者を投げさせた」と言ったが、ここに勝利を導く柔軟性の秘密が隠されている。