コーチ陣こそ、勝利へのカギ
とはいっても、王氏が監督にはならなくとも、総監督、GM、アドバイザーなどでチームに関わってくることは間違いない。監督候補としてはいろいろと名前が挙がっているが、王氏が関わることを前提とすれば、選手を実際的に管理するコーチ陣こそが勝利へのカギとなってくる。五輪の3人からWBCは5人に増えるコーチで、適任者が2人いる。野茂英雄氏と清原和博氏だ。
第1回のWBCに参加した日本人メジャーリーガーは、イチローと大塚の2人だけだった。しかし、今回はそうはいかない。連覇がかかる状況下、しかも他国が現役バリバリの大リーガーでラインアップを固めてくることを考えれば、日本もメジャーリーグで活躍している選手を揃えなければとてもじゃないが太刀打ちできない。
対象は、投手が松坂以下全員、野手が左ヒザ手術を受けた松井秀以外の全員で、その中で参加意思確認のあと召集となる。この“猛者”連中を束ね、勝ちを意識させるのに必要なキーワードは「信奉」だろう。「この人のためなら」と思わせる力。王氏と日本人メジャーのパイオニアである野茂氏に関しては、文句なしにこの「信奉力」は備えている。問題は清原氏だが、現在の同氏なら心配はなさそうだ。