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【プロ野球】台湾から来た二人のエース(2ページ目)

ヤンキースで活躍する王建民に代表される投手の名産地・台湾から今年も二人のピッチャーが来日した。楽天・林恩宇とロッテ・呉偲佑は2006年、共に台湾国内リーグで17勝を挙げた好投手だ。

執筆者:コモエスタ 坂本

ロッテ・呉偲佑


ロッテ入りした呉偲佑(ウ・スヨ)は、2004年にLa Newベアーズに入団し、3年目の2006年に頭角を現した。堂本剛に似た(と個人的には思う)ルックスで飄々と投げる姿が面白い。2006年、La Newベアーズは前・後期優勝、台湾シリーズ優勝と完全優勝を成し遂げ、球団創設以来初であるミラクルなシーズンだったのだが、その中で呉偲佑の勝ち運は光った。

2006年の呉偲佑はチームの飛躍とともに急成長し、林恩宇とともにシーズン17勝を挙げた。今年25歳になる左腕の呉偲佑は、ヤンキースに移籍した井川慶を彷彿とさせるタイプだ。球速は井川ほどないのだが、打たれてもなんとなく点が取られず、また2006年に限って言えば、点が取られても負けないという不思議な投手だった。

その勝ち運は、2006年のアジアシリーズでも発揮された。決勝進出を賭けた韓国・サムスンライオンズとの一戦では、先制2ランを浴びるものの、チームの逆転勝利を呼び込んだ。先発・呉偲佑ならではの試合展開だった。

ロッテ入りした呉偲佑は、その名前にちなんだ背番号46(ウ・スヨ=546と発音が近い)で荘勝雄コーチとともに先発ローテーション入りを目指す。ロッテの先発候補の層は厚いが、中継ぎよりも先発の方がその真価を発揮できるようなタイプに思える。

呉偲佑 台湾での成績

2004年 73 0/3回 5勝4敗4S 防御率2.84 三振80
2005年 104 1/3回 7勝6敗0S 防御率3.54 三振76
2006年 139 0/3回 17勝3敗1S 防御率2.27 三振142
通算成績 316 1/3回 29勝13敗2S 防御率2.82 三振298


最後に


日本プロ野球スターのメジャーリーグ流失と同様、二人のエース、楽天のインチェを併せればを三人のエースを失った台湾球界は、リーグレベルの低下や人気離れが懸念されている。各国球界の構造的問題なので、なかなかいかんともし難い面があるが、せめてもの楽しみとしては、彼らがいかに日本で成長し、今後の活躍を見られることだろうか。台湾から来たエースたちに期待を寄せたい。
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