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【高校野球】2006夏の甲子園、熱戦十番(2ページ目)

2006夏の甲子園は、3年連続優勝を狙う駒大苫小牧を早稲田実が決勝戦引き分け再試合の末に下し幕を閉じた。打高投低の影響もあって劇的な試合が相次いだが、そんな2006甲子園の名勝負十試合を振り返ってみる。

執筆者:コモエスタ 坂本

3回戦


8/15(火) 第1試合
○駒大苫小牧(南北海道)10 - 9青森山田(青森) ×

夏の甲子園三連覇を狙う駒大苫小牧が、「津軽海峡対決」で近年常連校の青森山田と対戦。試合は壮絶な乱打戦だった。

試合は青森山田が2回表に4点を先制、4回までに7-1と6点のリードを奪う。駒大苫小牧は3回途中からエース田中を投入し、反撃機を伺う。8回裏、駒大苫小牧は3点を奪い、8-8とついに同点。9回表、青森山田は1点を挙げ、9-8とするものの、その裏力投のエース野田がつかまり、サヨナラ負け。接戦をものにした駒大苫小牧が、再び頂点を目指す。

8/16(水) 第2試合
○日大山形(山形)11 - 10今治西(愛媛)×

1回戦で常総学院(茨城)を打撃戦の末11-8で下し、2回戦も文星芸大付(栃木)を相手に2ケタ得点で打ち勝ってきた今治西と、1回戦で開星(島根)に快勝し、2回戦で東北(宮城)との東北対決を制した、の日大山形との対決。
 
初回から両チームの点の取り合いで始まり、1回裏に4点を挙げた日大山形がリードを続ける。7回表に今治西が4点を挙げ、8-7とついにリード。しかし8回裏に日大山形が同点に追いつき、試合は8-8のまま延長戦に突入。延長13回表、今治西は2点を挙げ、勝利が転がり込んだかに見えたが、その裏6回から好投していた今治西の熊代がつかまり、最後は無死満塁から犠牲フライで日大山形のサヨナラ勝ち。
 
他県からの野球留学なしの「純山形県チーム」が好感を呼んだ日大山形だったが、次戦の準々決勝で早稲田実に敗れる。

準々決勝


8/17(木) 第二試合
○智弁和歌山(和歌山)13 - 12帝京(東東京)×

大会新記録の1試合7本塁打が飛び出す、豪快な乱打戦。試合は智弁和歌山が馬場の2打席連続本塁打、7回裏には広井の2ランで8-2と6点リード。しかし粘る帝京は8回表に2点を返し4点差と迫り、続く9回表には2アウト1・2塁から6連打。最後は代打で2度目の打席に立った沼田が3ランを放ち、この回8点で12-8と大逆転に成功。

4点リードの帝京はしかし逃げ切れず、9回裏、智弁和歌山は橋本の3ランで1点差に詰め寄り、なおも攻め立てる。制球を崩した帝京投手陣から代打青石がタイムリーを放ち同点にし、最後は古宮が四球を選んで、押し出しサヨナラ勝ち。壮絶な試合を制した智弁和歌山だったが、準決勝で駒大苫小牧に屈する。

8/18(金) 第二試合
×福知山成美(京都)2 - 3鹿児島工(鹿児島)○

この試合まで愛工大名電(愛知)、静岡商、熊本工と決して楽ではない対戦相手を破ってベスト8に進出した福知山成美と、初戦の高知商を逆転勝ちで下すなど、粘り強さを見せる鹿児島工との対決。

両チームが初回に1点ずつを取り合い、3回裏福知山成美が1点勝ち越し、試合は2-1で膠着状態。福知山成美・駒谷、鹿児島工・榎下の好投が続く。7回表、鹿児島工は地方大会でも驚異的な代打成功率を誇り、甲子園に入っても好調の代打の切り札、今吉晃を先頭に送り、遊撃内野安打で出塁。その後送りバントと連打で2-2に追いつき、試合は延長に突入。10回表、鹿児島工が4番の鮫島がセンターバックスクリーンにソロホームランを放ち、試合はそのまま3-2で終了。試合の流れを変えた7回表に登場した今吉晃は、はその風貌やパフォーマンスでも今大会の甲子園を大いに沸かせた一人だろう。

この翌日の準決勝、鹿児島工は早稲田実を相手に0-5と完封負けを喫する。超高校級の早実エース斎藤に完敗、力の差を見せつけられたという格好だったが、試合終了後も初出場チームがよくここまでやったというムードに溢れ、選手も笑顔で甲子園を後にしたのが印象的だった。

【決勝戦と総評】→
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