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「野村ノート」を読む(3ページ目)

楽天の新監督に就任した野村克也氏の著書、「野村ノート」が反響を呼んでいる。「ID野球」を確立した氏の野球理論と人間学が綴られた著書を考察する。「野村ノート」を読まずして、「野村監督」は語れないだろう。

執筆者:コモエスタ 坂本

今シーズンの楽天は?


では果たして、野村氏が監督に就任した今シーズンの楽天は、参入元年の屈辱の最下位から浮上することができるのだろうか? 私には今のところ何とも言うことができない。しかし今年の楽天は、編成的に見れば昨シーズンより確実に底上げされているのは間違いない。

外国人の戦力補強では昨年の3A首位打者で、2003年にはロッテで3割を打ったショート、同じくロッテ・西武で活躍したフェルナンデスを獲得し、打線の軸ができた。投手陣も元横浜のバワーズや、台湾の誠泰コブラスで活躍した若手の林英傑ら、面白い補強をしている。だが、最下位を脱する決め手になるかどうかは未知数だ。

一つ興味深いのは、野村ID野球とIT企業である楽天の親和性が高いという点だ。選手査定のIT活用などで早くも定評のある楽天のデータ活用と、野村氏の手法がマッチすれば、案外面白いことになるという期待もある。

だが、野村監督は就任早々、「楽天は最下位」と言ってしまった。もちろんこれは野村流の天の邪鬼な情報戦略だろう。誰しも最下位になりたいと思う新監督はいない。これを公言することによって、選手の発奮を促したと捉えるのが妥当な見方だ。しかし、チーム力の底上げを果たしたとしても、昨年の圧倒的な最下位を脱出するのは厳しいかもしれない。意地の悪い見方をすれば、野村監督が「保険をかけ た」と取れなくもない。

ともあれ、今年の野村・楽天の戦いには注目したい。「野村再生工場」の真価を発揮し、浮上できるか もしれないし、また少なくとも新しいチームである楽天の成長プロセスには貢献していくだろう。それ は仮に結果が最下位となったとしてもだ。
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