【PART5 松井稼頭央の攻撃面】

カズオの攻撃面は?(打撃編)


2004年と2005年の開幕戦、初打席ホームランを放ち、一発のあるところを見せた松井稼頭央だが、2004年の三振数が97と、一番打者としては多いものだった。この傾向は日本時代から指摘され、良い方に転がれば「思いきりが良く、長打力もある一番バッター」なのだが、悪く見れば「シュアさにかける一発屋」ということになる。もちろん、日本では高打率を記録していたが、メジャーの投球へは対応力に欠けるタイプだったのかもしれない。

松井は内野守備と同じく、スイッチヒッター(左打ち)もプロ入り後に作ったものである。作られた左の割には、右と同様にパンチ力があるというのが魅力だが(この面では全く遜色なく、身体能力の高さをよく示している)、逆にイチローのようなヒットメーカー的左バッター特有の打法があまり見られない。それが松井の良さを殺すのかもしれないが、時には「叩きつけるバッティング」や「セーフティバント」を求められたメッツでの1年目、スタイル上の悩みを生じさせ、余計にバッティングスタイルが混迷したかもしれない。

カズオの攻撃面は?(走塁編)


先述したように、「攻走守」三拍子揃ったプレーヤー像を期待されている松井稼頭央としては、「走」の面では盗塁も期待されていることは否定できないだろう。30メートル3秒6を記録したこともある快足は折り紙つきだ。トップスピードに乗るまでの速さはTVの「筋肉番付」などでもおなじみで、特に瞬発系の身体能力に優れていることは言うまでもない。そしてもちろん、ベースランニングは滅法速い。

ところが、メジャーに移籍して後は期待に反して盗塁が少ないのだ。2004年の盗塁数はわずか14。西武時代の97年には62盗塁を記録し、3度の盗塁王に輝いた実績からすれば非常に物足りないものがある。今世紀に入ってからは盗塁数が減少傾向にあるが、2001年には盗塁27で盗塁死0の、盗塁成功率100%という離れ業を達成している。ことパ・リーグ時代においては、盗塁の技術と力は完璧だったのだ。

メジャーに移ってから盗塁数が減ったのは、出塁機会の減少とモチベーションの低下、そして新たな投手に対するクセの把握などの理由があるのかもしれない。しかし、「足にスランプはない」という言葉通り、もう少しトライを増やすのも生き残りの道ではないかと思われる。

【PART6 データで比較する稼頭央の守備】に続く→