【PART6 データで比較する稼頭央の守備】

データによる他選手との比較(守備編)


ここで、松井稼頭央と他選手をデータで比較してみたい。まずは二塁守備だ。松井の2005年シーズンのデータと、ホワイトソックスに入団した井口のデータ、2004年ヤンキースでレギュラー二塁手だった時のカイロのデータ、そしてメッツに移籍したカイロの今年のデータである。

選手試合イニング守備機会刺殺捕殺併殺失策守備率守備機会率
松井(2005)2B--NYM36299.01475686165.9664.27
井口(2005)2B--CWS40353.119976120253.9854.99
カイロ(2004)2B--NYY113856.0476195275596.9874.94
カイロ(2005)2B--NYM15107.2632142801.0005.27


【用語注】
NYM=ニューヨーク・メッツ
CWS=シカゴ・ホワイトソックス
NYY=ニューヨーク・ヤンキース

イニング(INN)=守備についたイニング数
守備機会(TC)=刺殺数+捕殺数+失策数
刺殺(PO)=捕球によるアウト(フライ、ライナー、送球)
捕殺(A)=送球によるアウト
併殺(DP)=ダブルプレー参加数
失策(E)=エラー
守備率(FPCT)=(守備機会-失策)÷守備機会
守備機会率(RF:レンジファクター)=(刺殺+補殺)×9÷イニング数

エラーが多いだけでなく、守備機会も少ない


上記のデータで一目瞭然だと思うが、ポイントは守備率と守備機会率(RF)である。守備率は、言い換えればエラー率だ。2005年の成績はデータが少ないとしても、2004年ヤンキース時代のカイロが通年で.987で、井口の2005年と同等であることと比較すると、やはり松井の.966は低すぎる。仮に2004年のカイロと同じイニングだけ松井がこのペースで守ったとすると、エラーは14となる。カイロのそれが6であることと比較すれば、倍以上のペースだ。

そしてもう一方の守備機会も検証しなければならない。守備範囲の広いプレーヤーが、守備範囲の狭いプレーヤーには追いつけない打球に追いつき、エラーを増やすことがある。この場合、エラーの数は守備機会の多さと相殺して評価されるべきだろう。

しかし、松井の場合は守備機会率(要するに1試合平均でいくつのプレーをするかという数値だ)が他選手と比べて極端に低い。同じチームのカイロの2005年と比較すればその差は明らかだ。要するに、松井稼頭央のセカンドは、守備範囲が狭くエラーも多いということをデータは示している。

試しに、拙守(とホームラン)で有名なアルフォンソ・ソリアーノ(広島-ヤンキース-レンジャース)のデータとも比較してみたが、全ての面で松井と同等か、もしくはソリアーノの方がマシだった。にわかには信じがたかったが、松井稼頭央の今の守備は「ソリアーノ以下」と言えてしまうのだ。

【参考】
松井稼頭央の成績(MLB.com)

井口資仁の成績(MLB.com)

ミゲール・カイロの成績(MLB.com)

アルフォンソ・ソリアーノの成績(MLB.com)

【PART7 データで比較する稼頭央の打撃】に続く→