野球/野球関連情報

幻の野球アジアシリーズ~1995福岡(3ページ目)

2005年11月に日・韓・台・中の4か国が集い、東京ドームで開催予定の『野球アジア杯』。それに先んずること10年前の1995年、幻の『野球アジア杯』が福岡ドームでひっそりと行われていた。

執筆者:コモエスタ 坂本

11月24日、優勝決定戦の行方は?

優勝決定戦 韓化(韓国) - 統一(台湾) 15:00
3位決定戦 全豪選抜 - ダイエー     18:30

前日の残り一試合、全豪選抜-韓化戦は、6-0で韓化の圧勝に終わる。オーストラリアは即席の混成チームだったのが災いしたようで、雑なプレーが目立った。一方の韓化は、国際試合となればもう全力という韓国のお国柄。もちろん優勝する気で来ている。決勝の韓化-統一戦、実力差から言っても、統一が断然不利だ。

この決勝戦が第一試合で、平日(金曜)の午後3時から。観衆は見たところ二千人ぐらい。最初から決勝戦のつもりで、午後6時半のナイトゲームを組んでいたダイエーは、屈辱の三位決定戦となってしまったのだ。なんとも無様な話じゃないか。

決勝戦、プレイボール!

韓化-統一戦は、韓化の先攻。統一の先発、謝長亨(*6)は立ち上がりから乱調。なんとか1点に抑えるも、先行きは不安だ。統一打線も、韓化先発の具(*7)の速球を打てない。5回までノーヒットが続く。

謝はその後も、毎回のようにヒットを打たれるが、何故か韓化打線に決定打が出ない。結局初回の1点のみの、いわゆるスミ1で試合は進む。全体としては韓化が押し気味だ。

ミラクル統一ライオンズ、優勝!

しかし、しかしである。奇跡は再び起こった。8回裏、5番陳政賢の二塁打を足がかりに、1アウト満塁と攻めたてる統一ライオンズ。ここで迎えるは、8番江泰権。統一の誇る下位打線(*8)は、阪神で言えば和田や久慈のように、打ててシングルヒットという非力だ(笑)。

そのセンター前しか打てない江泰権が、センター前に同点タイムリー。続く9番の呉思賢もセンター前に決勝タイムリー。さらに1番の羅國章もタイムリー。まさかまさかの3連打だ。

結局、統一は9回表の韓化の攻撃を抑えて、3-1での大逆転勝利。台湾代表、統一ライオンズはアジア・パシフィックスーパーベースボールの初代王者となってしまったのだ。

こんな嘘のような話があっていいものか。おい、どうするダイエーさんよ(*9)。これじゃあまた、来年も開催しない訳にはいかないな。また見に行くからさ。

アジア・パシフィックスーパーベースボール最終成績

優勝 統一ライオンズ(台湾)
二位 韓化イーグルス(韓国)
三位 ダイエーホークス
四位 全豪選抜


(*6)謝長亨=95年は12勝11敗。統一ライオンズ四本柱の一人。2004年は統一ライオンズ監督。

(*7)具臺晟(ク・デソン)=95年、4勝14敗18S。後にシドニー五輪3位決定戦で松坂と投げ合い、日本を下す。その後、オリックスに入団。

(*8)統一打線=1・2・8・9が極端に短距離砲だ。その代わり、3番から7番までは2割9分の林克を除いてみんな3割バッター。

(*9)ダイエー=三位決定戦を、3安打ながらかろうじて勝つ。情けない。


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