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選手会スト決行、ペナント大詰め 『野球毎日』2004年09月号(後編)(2ページ目)

日々の野球的よしなしごとを、そこはかとなく書き綴る日記、コモエスタ坂本の『野球毎日』。2004年09月号の後編です。

執筆者:コモエスタ 坂本

2004/09/23 日本ハム、残り1試合で3位マジック1

本日のダイエー対日本ハム戦、途中まで6-1と大きくリードしていた日本ハムの投手陣が終盤崩れ、延長戦の末にダイエーが7-6でサヨナラ勝ち。これで日本ハムは明日の最終戦、対オリックス戦にプレーオフ進出を賭けることになった。

現時点で日本ハムは65勝65敗2分け。ロッテが65勝65敗3分けで全日程を終了したので、日本ハムが明日勝てば3位でプレーオフ進出決定、負ければロッテにチャンスが。そして引き分けならば、日本ハムとロッテで前代未聞のプレ・プレーオフ試合(1試合)となる。ただし、これらはストの再試合がなかった場合だ。再試合やるのかやらないか、早く決めてくれ。

さてその日本ハム、明日の試合はどうかと言えばやはりあの男、新庄が左右するのではないだろうか。新庄は幻のサヨナラホームランを打った試合から3試合連続ホームラン中。終盤打撃好調で、打率も3割目前まで来た。明日4打数3安打か6打数4安打以上で3割だ。新庄が全てを決めるか外すか、それだけで日本ハムの行方が占えるような気がする。もし新庄が劇的なことをやってのけたら、日本ハムはパ・リーグ優勝までありかもしれぬ。

一昨日観戦に行った西武-ロッテ最終戦は見応えのある試合だった。ロッテが1-3から、ベニー・フランコ・李スンヨプの3連続ホームランで試合をひっくり返し、逃げ切った。外国人選手3連発、西武のカブレラ・フェルナンデスとあわせて1試合5外国人本塁打と、またしても私にとっての妙な記録試合観戦歴というやつが増えた。

ところで球界再編の方だが、楽天オリオンズだかなんだかが仙台で決まりのムードになってきたようだ。その件についてはあまり書きたくない。以前この日記で来季6+5球団でない確率はいいとこ20%と書いた。いい意味で裏切られた部分があるが、今は逆に来季以降も問題を先送りしたまま元の安定構造に安住してしまい、球界再編論議が進まないことを危惧している。スト回避はいいのだが、日本におけるプロ野球をどうするのかは何も決まっていない。

今日のピックアップ:「猿でもわかる選手会ストQ&A」

2004/09/25 日本ハム、3位でプレーオフ進出

昨日のオリックス対日本ハム戦で、北海道日本ハムは7-4とオリックスを下し、辛くもロッテに1勝差の3位。全日程が終了したこの後に及んでスト代替試合をやるかやらないかがまだ決定していないが、おそらくやらない方向と思われるので、このままプレーオフ突入だろう。

日本ハムの結果を待っていたロッテには残念な結果だった。ロッテのバレンタイン監督が、新庄を獲得できなかったのが痛かったと今更ながらに言っていた。確かにロッテの手薄な外野陣を考えれば、1番センター新庄というのは理想的な補強だったろう。開幕戦での1番センターは波留で、その試合では活躍したが、その後は泣かず飛ばずで今季で解雇だった。その新庄、最終的には3割にヒット1本足りず.298だったが、プレーオフではどうだろうか。勢いのついた日本ハムだが、プレーオフまでに1週間ある。せっかくの流れが変わるには十分な時間だ。

考えてみれば、ストで中止の2試合がパ・リーグには微妙な影響を与えた。3位日本ハムと4位ロッテが0.5ゲーム差だし、1位ダイエーと2位西武が4.5ゲーム差。もし2試合があれば、3位と4位はひっくり返ったかもしれないし、1位ダイエーは5ゲーム以上の差をつけ、プレーオフに1勝のアドバンテージが与えられたかもしれないあたりが、何とも言えぬ後味の悪さを感じる。

言っておくが、私はスト賛成派でも反対派でもなかった。結果的に球界問題を浮き彫りにし、耳目を集めたという意味ではストを決行してよかったとは思っているが、スト支持が8割とか9割という世論に対してウッと思うところが多いのだ。最近の日本において8:2や9:1になる事柄に対しては、少数派の意見の方に先見の明があるものが含まれることが多い(もちろん、全てとは言わぬ)。8とか9の多数派意見は皆似たようなステロタイプに収束しがちなので、面白くないだけではなく、危機を感じるのだ。

簡単な例を挙げれば、初期の小泉首相の支持率だ。8割9割の方につく人の多くは、よく言えばトレンドに敏感だが、悪く言えば大計を持たず、意見を変えやすい。今野球界に必要なのは、次の構造のための100年大計だ。今の日本人は、歴史感覚を失っているのではないかと思うことがよくある。歴史感覚とは、今日の意見を明日覆すことでもなく、昨日の構造に安住するということではない。伝統を守ることは大事だが、その構造に問題があれば、速やかに納得がいくまで壊す覚悟も必要なのだ。

歴史とは、長く続く安定・維持のフェーズ、破壊・再生のフェーズ、そして次の安定フェーズが繰り返されるのものだ。近年の日本は混乱期には必要以上に混乱し、構造が是正されないまま仮の安定構造に移行し、そしてまたすぐに混乱が起きる、というのを繰り返している。本当の意味での歴史感覚を取り戻さないと、日本の衰退は止まらないだろう。いや私は、もう半分ぐらい諦めてはいるが。
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