外れてこそ予想、『外れても大胆に』
順位予想というのはとかく当たらないもので、ベテラン評論家諸氏においても、去年のセリーグ優勝を阪神と予想した人は少ない。そして私の予想方針は、『外れても大胆に』である。例えば去年の日本シリーズ予想は『阪神が4-0でダイエーを下す』だったが、結果は4勝3敗ダイエーで見事に外れた。しかしこの予想も、見方によっては紙一重である。シリーズ第一戦に阪神が井川で勝っていれば、結果阪神の4勝1敗だったのだ。非常に惜しかった(と言うには無理があるかもしれないが)。前置きはさておき、今年のセリーグ順位予想である。『大胆予想』の結果、優勝は落合新監督の中日ドラゴンズということになった。私は阪神ファンなのだが、その方が面白いからである。
■去年の成績と今年の予想順位
2004年予想順位 | 2003年最終成績 |
---|---|
1位 中日ドラゴンズ | 1位 阪神タイガース |
2位 ヤクルトスワローズ | 2位 中日ドラゴンズ |
3位 阪神タイガース | 3位 読売ジャイアンツ |
4位 読売ジャイアンツ | 3位 ヤクルトスワローズ |
5位 横浜ベイスターズ | 5位 広島東洋カープ |
6位 広島東洋カープ | 6位 横浜ベイスターズ |
球団別解説(去年の成績順)
【阪神タイガース】戦力的に去年と大差はないのだが、この10年セリーグを連覇したチームはない。各チームの戦力が拮抗している上、リーグ優勝・日本シリーズ・そしてオフシーズンというのは、チーム的にかなり疲弊するものだからだ。先発投手陣では、ちょうどムーア(オリックス)の抜けた分の穴が埋まっていない。過去10年の優勝チームの翌年は、2位3回、3位3回、4位4回である。よって間を取って3位に。4位でもいいのだが、一応ファンなので。
【中日ドラゴンズ】
なにしろ落合である(投手の方ではなく)。一般に投手・捕手出身の監督は野球を知っており、外野手出身は平凡である。そして内野手出身監督は、知将か凡将のどちらかになりがちだ。落合は明らかに知将タイプで、選手もそれについて来ている。戦力的には唯一の大型補強(?)であるドミンゴ(前横浜)の調子が上がっていないが、元々投手力のチームで、先発投手のコマ数はある。中継ぎ・打線にも不安はあるが、『落合マジック』に期待しての1位。
【読売ジャイアンツ】
監督の仕事は大きく言って二つで、『采配』と『チームのノリを高めること』だ。投手出身の堀内は後者に問題がある(とかく前者をうんぬんされがちだが)。それ以上に問題があるのが投手陣で、大型打線に比べればかなり貧弱。中継ぎ・抑えどころか先発もフルローテーションが組めないだろう。4月時点で最下位だったが、開幕メンバーが故障し、若手が出てきてからの方が実は強いチームだったりする。しかし3位の去年よりも総合力は高くない。よって4位とする。
【ヤクルトスワローズ】
なぜだか私はヤクルトを毎年優勝候補にしてしまいがちだ。このチームはなぜだか毎年外国人の補強に成功し、若手が出てくる。スカウティングの成果に加えて、選手が野球を知っていて負け続けない。目玉がいなくてもそこそこバランスが取れてしまう。ここ10年の平均順位は巨人に次いで2番目だ。よって強引に2位とする。1位にする勇気はない。2001年に優勝したときも、何で優勝したかわからなかったのだから。
【広島東洋カープ】
広島に恨みがあるわけではないが、いくら前半戦がよくても、ここ10年ほどシーズン終盤に失速する傾向が甚だしい。ベテランは疲弊して故障し、出てくる若手も1年のうちに使い潰される。根本的な選手層の薄さを解決できていないのだ。開幕ダッシュに成功しても、いずれずるずる落ちるという『大胆予想』に基づいて、6位とする。
【横浜ベイスターズ】
2年連続最下位の横浜に関してだけは、6位にしなかった理由を書かなければならないだろう。まがりなりにも、ギャラード-佐々木という抑えパターンができた。1本足りないままの先発陣も、なぜだか大敗せずに回っている。こう書くとかなり希望が持てそうな感じだが、記録的な最下位から上位復帰するには、年月を必要とするのだ。よって5位に。しかし広島や横浜が終盤まで粘れば、今シーズンはまれに見る混戦が続くだろう。
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