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12月16日(木) 日本代表vs.ドイツ代表 0-3 日本、(3ページ目)

今年最後の代表戦は2006年のワールドカップ開催国ドイツ。DF陣に故障者が続出したとはいえ、0-3の完敗。2005年のアジア最終予選に向けて不安が残る試合となった。

執筆者:小野寺 俊明

ジーコ監督

「経験と試合運びというか、決めるところでしっかり決められて負けたという感じがする。バラック中心に起点となって攻撃してくるのは分かっていたが、どうしても彼のマークが甘くなったときに、決定的な仕事をされた。90分の中では、いい時間帯もあったのだが、自分達がちょっとよくなった時にやられた。これが同じレベルのチームであれば点差は開かない可能性もあったが、ドイツやブラジル、アルゼンチンといったレベルと一騎打ちになった時にはミス絡みで失点してしまい、相手が確実に得点に結びつけてくる。そういう厳しさをもう一度肌で感じさせられた」

……スピードにやられ、自分たちのペースでできず、少し慌ててしまったのでは?

「試合の中でいろいろなことが起こった。最初は気遅れし、シーズン的にも厳しく、気持ちの中で火がつくまでに時間がかかった。それまでの間にミスをつかれて、いい形でボールをさらわれ、形を作られた部分が多かったが、前半は守り切り切った。そして相手の出かたが分かってくると、ボールがつながり始めて、いい形を作れるようになった。例えば三都主のシュートで1点取れていたらかなり状況は変わっていたと思う。しかしそうならず、最後にミスをつかれて得点されてしまった。

自分たちの形で90分できなかったという問題があるが、今回はメンバー的にみてもケガ人も多く、厳しいわりには、次につながる戦いができた。この敗戦を引きずって、最終予選の準備に支障をきたすことは全くなく、その上のレベルで戦うためのいい教訓にしたい。ワールドカップの本大会では最初から最後までこのようなチームと戦わなくてはいけないことを肝に銘じながら、しっかりと最終予選を勝ち抜きたい。選手たちには『とにかく切り替えてくれ』と言った。フレンドリーマッチで自分たちが何かを得ることが大事だということを確認して終わった」

……メンバーが揃わず4バックになったが、今後、相手によって4バックを検討するに値する内容だったのか?

「今のチームの仕上がり具合を考えると相手よりも、自分たちのその時の状態で一番適するという方法で守備の枚数を変える時期にきている。90分の流れの中で4バックになったり3バックになったりと変えていくことは今まで通りやっていく。メンバーが揃えばどんな形でもこなしていけると思う」

……フィジカルで圧倒されるのはある程度想定されていたが、スピードでもかなりやられた。しかもホームでの敗戦だが?

「今日のゲームに限っていうと、ドイツはシーズン中で非常にいいコンディションだった。逆に我々はシーズンの終わりに近づいているし、息も絶え絶えという状況で戦った。今日の試合でそれをはかるのは難しい。今は体力的なこと、フィジカルコンディションとスピードにどう対抗するかという点には、あまり不安を持っていない。いい状態なら守り方も分かっているし、ハイボールが得意でコンタクトの強いチームに対しては、不必要な反則をしなければ対処できる。自分たちが足元で球を非常に早く動かしながらサイドを使えば、相手は必ず複数のバックが中に絞ってくるから両サイドが空く。ここをうまくつければ、対抗できると思う。

一番心配だったのは、1つのミスでボールを取られて、そこから得点を取られてしまうこと。アジアの中でやっていたら、3点取られていたかは疑問だが、次のレベルに行った時は厳しさが必要になる。これが一番心配なことだ」

クリンスマン監督

「3-0で勝てたことをうれしく思う。新しい選手(オボモエラ、シュルツ)だけでなく全てに満足している。オーストリアとの親善試合で監督デビューし、それから4試合目だがだんだん成長してきた。今日も選手たちに誇りを持っているし、楽しかった。日本と試合できることは大変楽しいことだった。選手たちは目標をしっかり持っており、努力もしている。リズムが取れない時間帯もあったが、得点するのは時間の問題だと思っていた。」

……新しい選手の起用に関しては?

「マルコ・エンゲルハルトは今日出なかったが、アジアツアーの中では使うつもりだ。新しく召集した選手と古くからの選手が協力しあっていいチームワークを作り上げたい。バラックもいいキャプテンだし、全ての事に配慮している」

……クローゼの2ゴールについては?

「2得点は非常に素晴らしい。クローゼはオーストリアとの親善試合に出ていなかったが、その後チームとともに進化し、ゴールを決めるのだという意欲が他の選手にもいい影響を与えている。彼がチーム全体を引っ張っていき。みんながそれについていくという場面も見られた」

……風が強くハイボールを使ってくると思ったが、多用していなかった。これが新しいドイツの形か?

「風が強かったことは関係ない。高さを意識しないプレーをしたというわけでもない。今日は3トップを試してみたかったので、その戦術にかけただけだ」

●稲本、高原、遠藤、玉田、藤田、小笠原、大久保選手のコメントへ続く…
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