アート・美術展/アート・美術展関連情報

寒い冬に自宅で楽しむ:アートブック

小山登美夫「現代アートビジネス」、山口裕美のアーティストブックなど、気軽に読めるアートガイドから写真集、評論まで自宅でも楽しめるおすすめのアートブックをご紹介します!

執筆者:橋本 誠

文章:橋本 誠(All About「アート・美術展」旧ガイド)
冬休みということで、自宅でも楽しみたいアート。映画編に引き続き、2008年に発売されたおすすめのアートブックをご紹介いたします!

THE POWER OF JAPANESE CONTEMPORARY ART

THE POWER OF JAPANESE CONTEMPORARY ART
「現代アートのチアリーダー」として、多様なアートプロデュース活動を行う山口裕美が、加藤泉、鴻池朋子、名和晃平、パラモデルなど注目する若手から中堅のアーティスト32組を豊富なビジュアルと共に紹介している、ボリューム感のある1冊です。

見開き2ページに渡って各アーティストの図版が大きく掲載された構成でページをめくっていくだけでも目に楽しいのですが、巻末では様々なかたちでそれぞれのアーティストと関わってきた彼女ならでの視点で作品、そしてアーティスト自身の魅力が語られていて読みごたえがあります。

これらは月刊雑誌「MACPOWER」に連載され好評を得たものをまとめたものですが、新たに天明屋尚へのインタビューや、山口氏による最先端のアートシーンを総覧した書き下ろしのテキストも収録。日本の現代アートが各国の展覧会やオークションを賑わせる中で、注目すべき本物のアーティストを知ることができる1冊だと言えるでしょう。

出版社のサイトでさらに詳しく!

現代アートビジネス

現代アートビジネス
続いてご紹介するのは、数々の若手アーティストを発掘し、日本発の新しいマーケットを築いてきたギャラリスト小山登美夫による新書。プライマリーとセカンダリー、需要と供給によって異なる作品の「価格」の話など、広くは知られていない業界の仕組みや、複雑な現代アートの「価値」が分かりやすく解説されています。

トランクひとつで海外のアートフェアに乗り込んだなど、学生時代にアートに目覚めてから、苦労しながらも自らのスタイルでギャラリーを築きあげるまでのエピソード、奈良美智や村上隆といった日本を代表するようになったアーティストとの仕事についても、アートシーンの変遷と共に語られており興味深く読むことができます。

タイトルから想像できる通り、商業的側面からのアートの価値について語られつつも、最終的には純粋にアートを思う心がシーンを支えるという信念には共感を覚えずにはいられません。アートに関わる職業に就いてみたい方、アートファンにとって必読の1冊です。

出版社のサイトでさらに詳しく!

次のページでも、まだまだおすすめのアートブックをご紹介します!
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