文章:橋本 誠(All About「アート・美術展」旧ガイド)
先月9月より横浜トリエンナーレ2008がスタートしました。皆さん、すでに足を運ばれたでしょうか。3回目となる今回も、なかなか特徴のある内容となっています。気になった作品を取り上げながら会場の様子をお伝えします。

精神の世界を垣間見せる作品


マレッペ「無題」
マリナ・アブラモヴィッチ「魂の手術台」
まずご紹介するのは、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)で展示されているマリナ・アブラモヴィッチの作品「魂の手術台」。『観客は服をぬいで、台の上にあがるように』という指示書が掲示されていて、台の上で仰向けに寝ながら、色の付いたパネルを見つめるという精神性の高い作品です。上がると予想以上に高い台は、固く冷たく、また会場である倉庫のしっとりとした空気の様子も相まって、不思議な世界へ誘われます。
※現在は体験いただくことができません
『アートとは、わたしたちの日常をゆさぶり、普段は気づかない、あるいは、しばしば忘れているふりをしてしまっている「深淵」(しんえん)を垣間見させるものだ』と総合ディレクターの水沢勉氏が語るように、彼女の作品は、魂が潜む精神の世界へと視線を向けさせるのです。

会期中にパフォーマンスとともに変化する作品も


マレッペ「無題」
ミケランジェロ・ピストレットの「17マイナス1」
マレッペ「無題」
ミケランジェロ・ピストレットの「17マイナス1」
次は新港ピア会場で展示されている作品をご紹介します。痛々しく割れた鏡が並ぶミケランジェロ・ピストレットの「17マイナス1」。実はこちらの作品、展示当初は割れていませんでした。それでは誰かが割ってしまったの?と思いきや、この鏡を割るよう指示を出したのはアーティスト本人。鏡を破壊するというパフォーマンスも合わせて作品というわけです。

今回のトリエンナーレではこちらの作品を始め、会期中に変化をしていくものもあるのが特徴です。

次のページでは、おすすめのパフォーマンス作品をご紹介します。