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カンディンスキーとモンドリアンの抽象絵画(2ページ目)

「巨匠で見るアート」近・現代編の最終回。カンディンスキーとモンドリアンを中心に、抽象絵画に関する運動をご紹介します。

執筆者:橋本 誠

幾何学的に描いたモンドリアン

ピート・モンドリアン一方で、同じ抽象絵画でもピート・モンドリアン(1872-1944)が取った手法は少し異なりました。

彼はパリでキュビスムの影響から、画面を幾何学的に分割・構成する方法を学びましたが、そのうちに描くものを垂直と水平の要素に還元し、直線に三原色を組み合わせることで全てを描くようになりました。

この手法で多くの作品を残し、建築やデザインの分野にもこの様式を持ち込み拡げていきました。

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個性的な抽象画家たち

『ピート・モンドリアン―1872-1944』TASCHEN
相互和音
カジミール・マレーヴィッチ
《Landschaft》 1909年
カンディンスキーやモンドリアンの他に活躍した抽象画家としては、リズミカルな動きを造形化したフランシス・ピカビア(1879-1953)や、現実との関係を完全に否定する「シュプレマティスム(絶対主義)」の考えの下に幾何学的な形態で作品を描いたカジミール・マレーヴィッチ(1878-1935)などがいました。

いずれも、絵の中で現実世界の再現を行うのではなく、色や形などの造形要素だけで自立的な表現世界を作り上げるという方向性を明確に打ち出したものです。

これに対して、同様に現実の再現性を否定しながらも、絵画の自立性を求めるのではなく、人の心のなかの未知の世界を探るという方向性が、既にご紹介したダダやシュルレアリスムの運動へとつながっていきます。

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いかがでしたでしょうか。「巨匠で見るアート:近・現代編」はひとまずこれで完結です。

次回からは「古代・中世編」をお届けする予定です。お楽しみに!
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