アート・美術展/アート・美術展関連情報

季節感たっぷり、「春」を感じるアート!(4ページ目)

心躍る春。そんな季節にぴったりのアーティーストと作品をご紹介します。

執筆者:橋本 誠

伝統的な手法を応用して植物などを描く岩野仁美さん

Whereabout
素材:パネル、スチレンボード、布、アクリル絵の具、顔料
制作年:2005年
岩野仁美さんは、学生時代より一貫して「木目込み」という筋彫りに布を入れ込んでいく伝統的な手法を応用して、平面・インスタレーション作品を制作しているアーティストです。オリジナルのキャンバスを用いて線画部分を立体的に彫りつけることで輪郭を描き、その筋彫りごとに彩色豊かなテキスタイル(模様や色のついた布)を貼り付けていくことで、植物などのイメージを描きます。やさしい色使いも春の気分にぴったりです。

「Whereabouts」
素材:パネル、スチレンボード、布、アクリル絵の具、顔料
制作年:2005年
作品「Whereabouts」では、岩野さんが独自に写真を印刷してつくった生地が用いられています。彼女の作品で特徴的な筋彫りは控えめであり、写真に写し出された風景を生かした作品になっています。ドローイングも用いて、空から舞い落ちる数枚の花弁を描きこむことで厚みのある表現になっています。まるで写真のシャッターを押した時に、彼女が実際にそこに 舞い落ちる花弁を認めていたかのように見事な構図の描画です。

水族館
「水族館」
素材:パネル、スチレンボード、布、アクリル絵の具、顔料
制作年:2006年
作品「水族館」は、花のイメージではなく、水族館での光景を描いたもののようです。丸く筋彫りされているのは水泡でしょうか。水槽の中から絵に描かれた世界をのぞいているような、面白い効果を生み出しています。

平面なのに、どこか3次元の空間が持つ広がりを感じさせる岩野さんの作品。描かれている世界が親しみやすく、何度見ても飽きることがありません。



【岩野仁美(Hitomi Iwano)】
1979年、東京都生まれ。東京造形大学絵画科卒業。
江戸時代に盛んであった、「木目込み」という筋彫りに布を入れ込んでいく手法を応用して、平面作品・インスタレーションを制作している。近年では写真を用いたり、ドローイングも併用するなどして独特の世界観を表現している。

■主な個展
2002年 「-緑の隙間-」Key gallery(銀座)
2003年 「岩野仁美展」東京アートファクトリー(新橋)
2004年 「Piece of The flower」LAPIN ET HALOT(表参道)
2005年 「岩野仁美展」みやしんギャラリー(仙台)
      「光の始まり」小野画廊2(銀座)
      「VOICE」小野画廊1(銀座)
2006年 「Chain reaction #1」YOSHIDATE HOUSE(横浜)

■主なグループ展
2001年 「DISCOVERY2001展」Key Gallery(銀座)
2003年 「Jin Session 2003 Vol.2」Gallery Jin(吉祥寺)
2004年 「SJPスウェーデン大使館展」スウェーデン大使館(六本木)



いかがでしたでしょうか。今回は「春を感じる」をテーマにお届けしました。皆さんも、季節を感じるお気に入りのアート作品を見つけてみてはいかがでしょうか。

「アート・美術展」サイトでは、今後も様々なテーマでアート作品をご紹介していきます。お楽しみに!

【関連サイト】
・関連サイト 代官山をあるく/秋山さやか……2005年に開催された秋山さやかさんの個展のオフィシャルサイト。作品紹介が充実。
・関連サイト JDNギャラリー/森本太郎……JDN(Japan Design Net)のオンラインギャラリー。森本太郎さんを紹介しているページ。
・関連サイト VOCA2002/曽谷朝絵……VOCA展2002年、VOCA賞受賞の曽谷朝絵さんを紹介しているページ。
・関連サイト Chain reaction #1/岩野仁美……リレー形式で行われた岩野仁美さんの個展のオフィシャルサイト。
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