今年も今後期待される日本画家を挙げながら日本画界の一年を振り返りたいと思います。今回は特に公募展別ではなく独自の動きをしている人に焦点をあてたいと思います。最近では、国の内外で様々なアートフェアやオークションが開催され、公募団体展やコンクール展・画廊展示などは縮小傾向にあり、作品展示の環境も様変わりしてきました。この激変する現代社会にあって、どのような作品が今求められているのか、どのような作家に可能性があるのかなどをお話しいただきます。ご出席は、昨年に続き、佐藤美術館主任学芸員・立島惠さん、アートスペース羅針盤の岡崎こゆさん、そしてアートフェアや画廊で多くの若手作家を紹介していらっしゃるギャラリー広田美術の廣田登支彦さんにも加わっていただきました。

これからの時代が求める日本画家像とは

ガイド:廣田さんは内外のアートフェアによく出品してらっしゃいますが、今はどんな作家に注目されていますか。
加藤優花

廣田:2月に洋協アートホールで開催される洋画商協同組合青年部企画のグループ展に、2人の作家を推薦しました。一人は羅針盤さんで個展をしていた加藤優花です。加藤さんの個展は、うちで扱わせていただいている作家から、良い作品なのでぜひ見てください、と薦められ楽しみにして見に行きました。大作中心の展示だったのですが、その作品の力強さに圧倒されました。
岡崎:彼女はとてもシャイで絵のことについてあまり語りたがらないのですが、いっしょにいるととてもパワーを感じます。ヘビの抜け殻や犬の口の裏側などモチーフになったスナップを展示したりしていたのも面白かったですね。
ガイド:加藤優花は1986年生まれの22歳ですから、すごく若いですね。彼女は多摩美在学中から非常に評価が高かったのですが、大学院にも進まず公募展にも出さずに活動を始めました。一見大胆な作風のようでいて、細かいところに気が配られていて、そして上品さもある。広く受け入れられるような気がします。本人も変に気負ったところがなく、息の長い制作活動ができそうな雰囲気を持っています。
ガイド:今回は、彼女のような異色の新星を取り上げていきたいですね。

佐藤美術館応接室
左から佐藤美術館主任学芸員・立島惠氏、アートスペース羅針盤の岡崎こゆ氏、ギャラリー広田美術の廣田登支彦氏