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寄り道しながら『1Q84』を読む【2】

村上春樹『1Q84』を他の本に寄り道しつつ紹介。今回はデビュー作の『風の歌を聴け』について。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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上下巻あわせて200万部突破! 村上春樹『1Q84』を他の本に寄り道しつつ読んでいきます。今回は、30年前に発表されたデビュー作『風の歌を聴け』をご紹介。

<バックナンバー>
寄り道しながら『1Q84』を読む【1】

デビュー作『風の歌を聴け』

風の歌を聴け (講談社文庫)
<DATA>タイトル:『風の歌を聴け』出版社:講談社著者:村上春樹価格:400円(税込)
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

語り手の「僕」が大学生のときに知り合った作家の言葉から、『風の歌を聴け』は始まります。8年間の逡巡を経て20代最後の年を迎えた「僕」は、完璧な文章なんて存在しない、そう自分に言い聞かせて、文章を書き出すのです。

「僕」はまずデレク・ハートフィールドという作家について語り、次に3人の叔父について語り、そして1970年の8月8日に始まって26日に終わる話を語ります。金持ちが嫌いな金持ちの息子・鼠とビールを飲み、左手の小指がない女の子と出会い、とりとめもない会話をかわす夏休み。

文庫本で160ページ。一見、さらっと読める青春小説なのですが……。

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